グランデザインの技術
耐震設計
等級1より
等級3のほうが厳しいんです、
等級とは、住宅品確法に定められた性能を評価する基準で、
耐震性では等級1~3の評価に分けられます。
簡単に言うと、等級3が一番耐震性に優れます。
等級1は建築基準法に定める、構造の最低基準を満たしたものと
なります。
これらの等級によってどのくらい耐震性が違うのでしょう?
<耐震等級1>
数百年に一度発生する地震(東京では震度6から震度7程度)
に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では
震度5強程度)の地震力に対して損傷しない程度。
<耐震等級2>
耐震等級1の1.25倍の地震力によっても倒壊・崩壊しない程度。
<耐震等級3>
耐震等級1の1.50倍の地震力によっても倒壊・崩壊しない程度。
阪神淡路大震災を経験したから
グランデザインは耐震等級3で構造設計します。
耐震等級1でも建築基準法上では問題なく建てることができます。
ですが、上記の等級により、どのくらい耐震性が変わるかが分かります。
耐震等級2でも十分ではないのか?
防災科学技術研究所の兵庫耐震工学研究センター(通称ーE-ディフェンス)で
耐震等級2の木造3階建ての試験体が実大振動実験(震度6強)により無残にも倒壊した・・・
という結果報告がありました。
現在、長期優良住宅に定められている基準が耐震等級2以上です。。。
阪神大震災を経験した私にとっては、衝撃的な結果でした。
大震災を経験された方なら、少しの揺れでもあの時の記憶が蘇るのではないでしょうか。
グランデザインでは耐震等級3で構造設計を行います。
自然災害は地震だけではありません。
風に対する構造設計も必要です。
グランデザインでは耐震等級3に加え、耐風等級2(最高等
級)で構造設計しています。
耐震等級と同様、風圧力に対しても等級が定められていま
す。耐風等級は1と2に分かれています。
等級1は建築基準法で定める最低限の基準。
<耐風等級1>
500年に一度発生する暴風による力(地域ごとの基準風速よ
り算定)に対して倒壊・崩壊せず、50年に一度程度発生す
る暴風による力に対して損傷を生じない程度。
<耐風等級2>
耐風等級1の1.20倍の風圧力によっても倒壊・崩壊しない
程度。
建物の構造は地震力よりも風圧力による影響のほうが大きい
場合があるので耐震と合わせて検討が必要です。
強い設計のためには
まずは地盤調査から
耐震性や耐風性を向上させても、建物を支える地盤が軟弱であれば、
物の性能に関わらず、不同沈下を起こしたり、損傷する恐れがあります。
構造計算を行う場合、設計地耐力というものを設定します。
地耐力とは地盤の強さを示し、設計する建物を支えることができるのかどうかの検討も行います。
地盤調査した結果、地耐力が設計時に想定したものよりも弱ければ、
地盤改良といって、セメントなどを地盤に混入して堅固にしたり、それでも強度が足りない場合は、
支持できる地層まで杭を設置して建物を支えるといったことも検討しなくてはなりません。
地盤調査は建物を建てる上で、必須ということです。
地盤保証は保証会社によるが、住宅を引き渡してから10年の間に地盤に問題があった場合に、
それを解消するために保険金が支払われるというものです。
現行では義務とはなっていませんが、安心という意味で費用はかかりますが、
必ず利用するべきだと考えます。
許容応力度計算で構造設計するからこそ
自由なデザインができると考えています。
まずそもそも許容応力度計算とは、どのような計算なのでしょう。
建築物にかかる固定荷重や積載荷重に地震力などの荷重を想定して、
各部材内部の抵抗力(応力)を算出し、各部材がそれぞれにかかる応力
に
耐えられるかを許容応力(限界点)と比較する計算です。
なんだか分かり辛いですね。。。
建物を構成する部材について、すべてが大丈夫なのかどうかを検証する
ために行う計算ということです。
そんなの当たり前ではないか、ということになりますが、
一般的な規模の住宅を建築する場合に必要な申請書には
ここまで詳細な構造計算の審査はありません。
壁量計算といって、建築基準法で定められた、規定の数値を使用して、
地震力および風圧力に対して検証するのみで済んでしまいます。
計算書の枚数で云うと、許容応力度計算がA4用紙300枚程度に対
し、
壁量計算はA4用紙5枚程度でおさまります。
枚数が多いから良いというわけではなく、そこまでの詳細な計算を行う
ことによって、より自由な空間に対し、確信を持って設計できるという
ことに繋がるわけです。
柱・梁の一本一本、基礎の鉄筋に至るまで、細かな検討を行い、
建物の骨子を十分理解しながら空間を創造するということ、
たいへん重要なことだと考えています。