グランデザインの技術
デザイン
必要か否かを追求することで生み出される、
「するもの」ではなく「自然にされるもの」。
それがグランデザインの目指すデザインです。
よいものとは特に自然な容姿である。
日本で云う用の美。
必要性があり、その必要なことを突き詰めると自然な美しさが得られるという。
バルセロナへ渡り独学で建築を学ぶ中、数多くの建築物を見て、数多くのイメージを得ました。
自分に合わないと思うものも数多くあり、それは何なのかと自分を問い正すと、
文頭の言葉に近いか否かでありました。
ヨーロッパの長い歴史の中で様々な建築様式が見られます。
時代によっては、権威の象徴のようなキラキラとした華やかな装飾もあれば、とても質素な建物もあります。
アントニ・ガウディと云えばほとんどの人が知っている有名な建築家です。
彼の建築はどうでしょう?
芸術性の固まりで、多くの不必要なもので着飾っているでしょうか?
彼のほとんどの建築は、その地域性をより濃く表現しています。
必要なものを必要なだけまとっているのです。
晩年の彼の建築で、コロニア・グエル教会堂というものがあります。
未完の建築で、必要なもののみを追求し、その他一切を削ぎ落としたような、
質素といえばそのように見える、とても美しい教会なのです。
華やかか質素かということで判断するのではなく、
必要か否かを追求することが、もっとも美しい建築を生み出すというように考えています。
デザインとは、するものではなく自然にされるもの。
グランデザインはそういうデザインを心掛けます。
不必要なものに過剰にデザインを施すと同時に、無駄なお金を使うことになります。
必要なものの見極め、それはデザインを高めるとともに、有効なコスト管理にも繋がるのです。