コンパクト介護住宅
光で表情を変える波打つ天井。医者ではなく建築士がやるべきこと。
脳幹に損傷を受け身体を自由に動かすことのできない被介護者の回復のために、何ができるのか?回復のためと言っても我々は医師ではない。建築士にしかできないことをしなくてはならない。住空間の環境は、あらゆる性能である一定の高い水準を上回るよう設計を進めていました。しかし、やらなくてはならないことは、そのようなことだけではないと我々の心が設計を終わらせようとはしませんでした。言葉で伝えるものではなく、肉体で感じるものでもなく、心に直接触れるものを創らなければならない。心に触れるには我々の心をその建築に込める必要があります。長い時間見上げるであろう天井に思いを込め、波を起こし、そこに流れ入る光を操りました。ある日人智学にもとづく芸術治療に関する本を読みました。芸術により心の中心に熱を与えるとあります。我々が創るものが芸術と呼ばれるものに該当するのかは分かりません。ですが空間を通して心で対話する術を知っています。それが力となることを願います。
- 施工
- 2013年
- 場所
- 兵庫県神戸市
- 用途
- 住宅 木造平屋建て
- クライアント
- I様邸