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目神山の家~調和~

工事中の目神山の現場打ち合わせ。

 

内装も仕上がってきて、空間の空気が変わってきました。

 

色というものは、空間に大きな影響を与える。

 

奇抜な色は主張するため敬遠されがちだけど、周りの色合いとともに抑えられ、その色の本来の意味が滲み出てくるように感じる。

 

 

調和する配色というのはこういうことだろう。

 

それでは外観は、何と調和するのだろうか?

 

それは、目神山の恵まれた自然との調和だと思う。

 

敷地の傾斜に合わせて建物形状を考え設計した建築、言い方を変えれば土地との調和だ。

 

調和というものを深く考えさせられる建築です。

 

 

 

 

自然光のありかた

今日は、大阪で打ち合わせ、そして京都で打ち合わせ。

 

同じ関西といえど、移動に時間がかかる。

 

JR大阪駅まで、JR京都駅までなら、たいして時間はかからないのですが、それぞれ目的地まで市内の移動と打ち合わせを含めると帰ってくるまで丸一日かかるわけです。

 

どこでもドア、若しくは瞬間移動ができれば、現代的に合理的に考えると、スカイプのような遠隔モニター打ち合わせが優れているということになるのですが、建築に関してはそういうわけにはいかないのです。

 

人と人が対話する上で、会わないとニュアンスや感情が伝わりにくい、そういう部分は当然あるでしょう。

 

それ以上に大切なことが、建築というものに内包されたとき、その近い空間で外観視するというときの感覚というものが、とても大切であり、それを自分の中に取り込むということが重要であるからです。

 

だから建築に携わっている以上、移動も達成するための一部であるといえるでしょう。

 

京都の現場は工事序盤で、雨仕舞いが完全ではないので、要所をブルーシートで覆っています。

 

この建築は、冬の日射熱を有効に建物内に獲得するために、建物形状に工夫を凝らしています。

 

 

これは温熱環境的に優位になるような考えですが、私にとっては温熱という物理的理論よりも、南北に奥行きのある敷地で、北側奥の生活空間に自然光が気持ちよく届くということ、暗い空間に映える光の美しさというものの可能性に大いに感情が高揚するのです。

 

この建物では、居る場所によって自然光の感じ方が異なり、それぞれの光の楽しみ方ができるようにしています。

 

まだ多くが覆われていて完全ではありませんが、その片鱗を現場で感じることができたのも、実際に現場に訪れてこそのものなのです。

 

この敷地での、温熱+自然光のありかたの両立を実現する予定です。

 

工事が進むことが楽しみであります。

 

 

 

 

今と昔~ミニ四駆から~

子供の頃によく遊んだ、ミニ四駆。

 

未だに発展しながら販売されていて、人気もあるようです。

 

速くなるように改造したりと、反則じみたことをよく考えました。

 

大人になっても好奇心が沸くのですが、子供の頃と決定的に違うことがあります。

 

子供の頃になかなか親に買ってもらえなくて、工夫して触れ合っていた感覚と、大人になってある程度お金を出せばそれを飛び越えてしまうという違い。

 

例えば、タイヤのシャフトとシャーシが触れ合う部分に、ボールベアリングの緩衝材を使うと摩擦抵抗が少なく、タイヤが回転するのですが、市販されているものは500円ほどします。

 

子供にとってこの目に見えない部分に500円かけるのは、最高に贅沢なので一般的には手を出せる代物ではないのです。

 

だから工夫してお金をかけずに摩擦抵抗を減らすことを考えるのですが、大人になればそれが必要であれば、購入して解決してしまいます。

 

時間というものの価値に重きをおくようになるのです。

 

こういったことを考えると、寂しくなります。

 

時間は大切だけど、ものに頼らず試行錯誤することの大切さも分かるからです。

 

今回子供と一緒に遊ぶために用意したのですが、昨今の環境からすると工夫してなんとかするという状況が減ってきていると感じるので、子供の頃くらいは少しでも考えて工夫して解決するということをやってもらいたいと思います。

 

今やスマホひとつで、昔は時間がかかっていたことでも瞬時にできてしまう時代です。

 

だからこそ利用方法だけに長けるのではなく、それを利用する意味や必要性とする意義を考えた上で利用するようになってもらいたいです。

 

こうやってブログを更新するのも、昔は足を運んで伝えていたことを、瞬時に不特定多数の人に伝えることができるけど、できるだけ実際に会って話した感覚と相違がないようにしようと心掛けています。

 

正直便利になればなるほど、表現方法は自由になりすぎますからね。

 

役者さんのように男前を演じることもできるわけです。。。

 

実際も男前ですから、演じる必要はありませんが。

 

そう、こういった発言が怖いんですよ。

 

ミニ四駆から発展的に改めて考えてみたのでした。

 

 

 

 

 

京都市にて「照ラスハウス」上棟

昨年から京都で計画・設計してました「照ラスハウス」の棟が上がりました。

 

 

4層スキップフロアの中央にテラスが配置された、各室への日射を考えた住宅です。

 

京都市内の土地は昔のなごりで、間口が狭く、奥行きが長い所が多いです。

 

必然的に奥行きの長い建物になるのですが、町屋の場合、暗くどんよりとする奥側に坪庭があり、採光と風が抜けるよう工夫されています。

 

現在でいうコートハウス(中庭を配した住宅)に近いです。

 

今回設計した「照ラスハウス」の形状は、コートハウスの概念に近く、名称に隠喩するテラスハウスの概念とは異なります。

 

一般的にテラスハウスとは、間仕切壁を共有した連続する戸建て住宅のことをいいます。

 

昔でいう長屋ですね。

 

この土地に建っていた建物も、隣とくっついていました。

 

元は長屋、現在でいうテラスハウスの形状であったことから、本プランの要である日射(照ラス)と掛け合わせて銘々したわけです。

 

番組のテラスハウスと掛け合わせたわけではありません。

 

スキップフロアで構造部材も多く、大工さんたちも大変だったと思いますが、無事に上棟できてよかったです。

 

工事関係者の皆様おつかれさまでした。

 

そして、お施主様おめでとうございます。