先日、神奈川で計画中の住宅のお施主さんと東京にて住宅設備ショールーム巡りをしました。
2日目は、JR山手線・代々木駅からのスタートで早く着きすぎたため、コーヒー店で時間調整していました。
すると窓ごしにものすごく気になるビルがありました。
写真の左端にある古いテナントビルです。
駅から徒歩1分くらいの一等地に、機能しているのかどうか怪しい古いビル。
ある時から時間が止まってしまったような、不思議なビル。
東京の山手線駅近でこのようなビルが存続していることの、異様、圧倒的異様。
あっアカン、カイジがでてしまいました。。。
というわけでちょっと近くで見てみようとコーヒー店を出ました。
思ったとおり、心躍る2階への入口。
この何のしつらえもない、木製のフラッシュ建具から、いきなり階段がはじまっている、
2階飲食店街という賑わいとは間逆の演出。
異様!異様!異様!
この異様さが、2階への好奇心を最高潮にまで高める。
一瞬にして、フラッシュのように2階の飲食店街を想像し、頭の中で映像を創造し、自然に中へ足を踏み入れました。
正面の階段の踊り場に期待を未だ裏切らない演出。
この時点で絶対的なものへの憧れに触れたような衝動に心は支配されます。
階段を昇り、いざっ!という時に、現実へ引き戻されました。
当然といえば当然、2階の飲食店街への入口は錆付いた大きな鉄の扉で閉鎖され、
まるで朝とは思えないほどの静寂と閉塞感。
しかし、安堵の気持ちで満たされました。
それは、自分が入口で感じた、頭の中で見た想像の映像が確定されず、無限のものに変わったからでした。
存在するものは目で見て、肌で感じて、想像する間もなく認識するが、
先を想像して尚、認識できないものというのは、極限まで具体的でありながら、可能性に満ち溢れている。
先を想像したいと思う衝動や高揚を感じるシチュエーション自体、稀であるし、
又、先を想像して、行動し、認識できるという場合がほとんどであると思うから、
この体験はとても貴重なものだと思う。
私の想像した2階飲食店街のスケッチ。
いや~久々にワクワクしました。