Category Archives: 新築物件

相応しい布

ユザワヤさんに布を選びに行きました。

 

建築工事で使う布です。

 

カーテンではなく、壁を構成する布です。

 

機能と意匠を兼ねる布の壁。

 

風になびく壁。

 

きっと、静寂と躍動を空間に与えてくれるでしょう。

 

それにしても、どの布がもっとも相応しいか悩みます。

 

空間とそこで暮らすお施主さんに相応しいもの。

 

おーこれは素晴らしい。

 

 

大阪なら、やはりこれか。

 

 

いや、こちらのほうが相応しいか。

 

 

布選びもまた大切な建築の仕事です。

 

こうして意味のある建築に近づきます。

 

 

 

 

ジャクソン -JAXON-

大阪のJAXON(ジャクソン)のショールームを見学させていただきました。

 

展示されている浴槽に入らせてもらい、サイズ感の確認を行うためです。

 

実際に図面に落としこめても、感覚が伴わないと、お客さんに提案はできません。

 

日本では馴染みの薄い浴槽となると、普段の感覚とは全く異なってきます。

 

それに加えて、排水方法、ジェットとブロアのポンプ、空気を送り込むための装置などの納まりも設計上知っておかなければならない重要なことも話を聞くことができました。

 

JAXONの浴槽は、80種類以上のラインナップがあります。

 

 

 

その中の大きなものから小さなものまで10種類程度が大阪で展示されており、それぞれ体験しましたが、一番しっくりきたのが、もっとも小さな浴槽でした。。。

 

 

バルセロナで住んでいたアパートも広い洗面室に浴槽とトイレがひとつながりに置かれていて、浴槽の中でシャワーを浴びます。

 

そうなると洗い場を兼ねられるある程度大きな浴槽でないと、窮屈で辛い。

 

そういった意味である程度の大きさは必要かと思います。

 

こういったことも身をもって知っていると、お客さんへの伝え方も変わってきます。

 

こういったことを集積して、頭の中のイメージの輪郭をより濃くして、そこからの派生を考えたりすることが、設計に大きな力を与えてくれるのです。

 

家事、炊事、外食、街を歩く、遊ぶなど、全て設計するという目線で日常生活を送らないと駄目でしょう。

 

それに加えて、もっとも必要なのが柔軟性。

 

昨晩、「明日、マイケルの日やな。」と話掛けたところ、

 

「なんすかマイケルって?」と心を濃灰色の鉄の扉で閉ざしたような言葉が返ってきました。

 

「マイケルやろ明日、マイケル!!」

 

「マイケルぅ?」もう一重扉を閉めたような音が聞こえました。

 

何度も言わされると辛いのですが、固く閉ざされた鉄の扉を開放するまで、私は言い続けました。

 

こういうことなんです、設計って。

 

 

 

 

 

高槻市にて上棟

本日は高槻市にて住宅の上棟式を行いました。

 

 

昨日までぐずぐずしていた天気も、この時とばかりに快晴で、素晴らしい一日となりました。

 

1/50スケールの2D図面が、眼前に1/1スケールの立体物が現れると、何度も経験してきた我々でもこの時はひとしお感慨深いものがあります。

 

 

設計コンペで弊社を選んでいただいて、9ヶ月ほど経ちました。

 

初めてお会いしたときには、まだ立つことを覚えてなかったお子さんも、自由に歩き回るほどに成長し、私の顔を見る度泣いていたのも、今では笑顔を見せてくれるようになりました。

 

これほどの時間をかけて造り上げるということは、生涯でほぼ無いと思いますし、それに携わるお仕事だということをとても貴重に思います。

 

そう言いながらも建築工事としては、まだ序盤です。

 

工事関係者と協力して、これからも思いを注入していきますので、お施主様には引き続きお付き合いよろしくお願いします。

 

本日はおめでとうございました。

 

 

 

傾斜地に建つ住宅

今日は天気も良く、目神山にて新築住宅の配置確認をしました。

 

 

この住宅の設計は、土地の造成を最小限とするために、傾斜地の沿った基礎形状としています。

 

敷地の高低差に合わせて、階層を設定しているので、斜面にへばりついた平家という感じです。

 

敷地の条件に応じて建築を考えるというのは、毎回もっとも悩ましいことですが、建築の大筋を決定するもっとも大切なことです。

 

特殊な敷地であるほど、その意味が大きく現れます。

 

建築設計事務所は特殊な建築を設計すると一般的に思われがちですが、むしろその土地に対してもっとも素直で無理をしない考え方をしていると言えます。

 

我々にとっては、土地の形状に関係なく無視して同じような形状の建物を建築するほうが特殊で違和感を感じます。

 

おっと、危ない危ない、なんか攻撃的な感じの文章になってしまいましたね(笑)

 

それだけ、敷地条件が建築の本質に大きく関係するということを言いたかったわけです。

 

そういう意味でこの傾斜地に建つ住宅は、他の敷地では建つことのない形態となっています。

 

完成したものを見てもらえれば、無理がないということを分かってもらえると思います。

 

さてこの度も、建築というものを目一杯考えて建築します。