Category Archives: 新築物件

八幡市の家 (ちいさなこだわり)

現在進行中の完成間近の物件です。
各物件ごとにこだわる所は、大きくも小さくも様々あります。
このお家は、室内と床下空間とを通気できるように、1階の床に給気口を設けています。
その給気口はプラスチック製のグリルが多く市販されています。
それがこれです↓
Y邸床給気口1
性能はいいですが、少し寂しいです・・・。
そこで実験的に木でこの給気口を造ってみました↓
Y邸床給気口2
Y邸床給気口3
<ヒモは仮に付けています。取り外し方法どうしよう・・・。>
すごい完成度です!!
この建物にこの給気口は9箇所ありますが、リビングの4箇所だけをこの木製の給気口にしました。
大工さん2人で、床の切り込み加工や微調整も入れて0.75日も掛かってしまったそうです・・・。
「どうもすみません・・・。大変ありがとうございます。」って感じです。
お風呂から見える坪庭の板塀も、少し変化を付けました。ただ板を並べるのでもいいのですが、細い線を間に入れてリズムを付けました。
Y邸7
かといって坪庭の背景になる部分なので、主張しすぎず、庭に溶け込むように・・・そう考えました。
お風呂にゆっくり入りながら、ささいな部分を楽しんでもらえたら嬉しいです。
自己満的な部分もありますが、それがお客さんのよろこびに繋がればそれほどうれしいことはありません。
何より、一緒になって造ってくれる、工務店さんや、大工さんたちに感謝です!!

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2009年7月22日

三木の家 (星の壁)

海外ネタは一休みして、つい昨日のことを書くことにします。
もうすぐ完成する物件のリビングの壁を土で仕上げることにしました。
この工事を監督してくださっているバスキアさんと、左官職人のKさんによるコラボ作品です。
この壁をどう見せるか悩みながら、何度も試験を重ねて、配合を考えてくれました。
お施主さんからある一定の費用はいただくものの、納得いくまで試験を重ねて配合を決めてしていると、その費用を大きく上回る経費になってしまいます。
それでも、オカネでは制御できない情熱をこの一枚の壁にぶつけてくれました。
途中難題を抱えながらも、ようやくこの日が来ました。
まずは、石膏で下塗りして、塗り材の配合です。バスキア&Kによる漆喰と、砂と、黄土のスペシャルな配合です。
左官職人Kさんが塗り上げていきます。
流石に素晴らしい手さばきです。Kさんとは初めて会いましたが、技術はさることながら、人柄もとてもいい人でした。
左官のことを、いろいろと丁寧に教えてくれました。
少し塗らせてもらいましたが、ぜんぜんダメでした・・・。そしてKさんがキレイに直してくれました・・・。
左官にもいろんな種類がありますが、Kさんは、
「どんな仕事でもできへんって言いたくないからね。」と言っていました。
うん、カッコイイー!!
Kさんが塗った壁をバスキアさんが、コテで波をつけていきます。少しでも手元が狂うと、大変です。
バスキアさんが力強いようで優しく仕上げていきます。
左官1
<バスキアさん>
出来上がった波の上にバスキアさんが、砂利を投げつけていきます。これがこの壁の大きな模様となり、この壁の性格にもなります。
まるで砂利が星のように、散りばめられて、水面の波紋の波に満天の星空を写しだすかのように、しかし星の光は水面の波紋にゆらぐことのない強い輝きを放つ・・・。
実にロマンティックです。
その星空の前でいるバスキアさんとKさんは、まるで織姫と彦星のよう・・・。
左官4
<バスキア&K>
一つの壁に情熱を注ぐ2人を見ていると、とてもうらやましくもあり、とても嬉しくもありました。
こういう人たちがいる限り、この世から良いものがなくなることはないでしょう。
左官3
そしてこの家も、思いがこもったこの壁にいつまでも守られるでしょう☆

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2009年6月30日