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Re:bar

加古川市で工事を進めていました、バーの完成写真撮影でした。

 

バーの名前は、「Re:bar」です。

 

お客さんが、リピートする、リターンする、そしてリバーという加古川にちなんだ意味が含まれています。

 

リバー(川)からデザインイメージを創りました。

 

川底から水面を見上げると、どのように見えるのか。

 

陸地部分を水面で切りとると、その部分は土や石だろう。

 

その部分は光がないので、きっと真っ暗だろう。

 

水面からは光が落ちてくるだろう。

 

そこで、水面と陸地を反転させて、陸地部分から光を、水面部分を漆黒で表現し、自然の摂理を反転させることで、異世界のイメージとし、常識にとらわれない未知の可能性を秘めた空間となるように考えた。

 

その川底に、一際白く輝くパール塗装のカウンターがこの空間を支配するように構えている。

 

異世界にせりあがる白く輝く物体。

 

この流線型のカウンターで異世界を感じながらお酒を楽しんでもらいたいと思う。

 

このバーは会員制なので、場所を伝えることができなくて残念です。

 

この私のバーテンダーもどきの姿で疑似体験してくださいませ。

 

 

 

 

 

薪ストーブとエアコン

現在は、エアコンで暖を採ることがほとんどです。

 

電源入れて、室温を自動で温度を調節してくれる。

 

ただ、それ以上でもそれ以下でもない。

 

便利さと、情緒は反比例の関係にあるように思う。

 

薪ストーブは便利でないから設置する人が少ないのではなく、手間をかけるゆとりがないのだ。

 

ほとんどの人が、良さを理解している。

 

私もそうだ。

 

だから便利さを否定しているのではない。

 

でも日常に落とし込むことができず、旅行先などで、数日その情緒に触れられることで満たしているのだ。

 

炎、薪が燃える音、匂い、そして空気の色が変わるかのように包まれる暖かさ。

 

エアコンは建築の中の温度を変えるだけ。

 

建築ではなく、付属機器。

 

しかし、薪ストーブはその暖める空気とともに、建築と一体となる。

 

そう、建築となるのです。

 

だから薪ストーブで薪を炊いたことを思い浮かべると、この建築空間が変化し、自身の行動がそれに促されることを想像する。

 

エアコンを運転して、自身の行動が促されるであるだろうか。

 

それが運転していることすら想像しないだろう。

 

人の生活とはそういうものだと思う。

 

今日は、薪ストーブの設置された部屋で、暫し陶酔しながら文学調にそんなことを考えたのでした。

 

あ~うらやましい。

 

お施主さんへの引渡しの前に、一泊したいと思いました。笑

 

 

 

 

目神山の家~調和~

工事中の目神山の現場打ち合わせ。

 

内装も仕上がってきて、空間の空気が変わってきました。

 

色というものは、空間に大きな影響を与える。

 

奇抜な色は主張するため敬遠されがちだけど、周りの色合いとともに抑えられ、その色の本来の意味が滲み出てくるように感じる。

 

 

調和する配色というのはこういうことだろう。

 

それでは外観は、何と調和するのだろうか?

 

それは、目神山の恵まれた自然との調和だと思う。

 

敷地の傾斜に合わせて建物形状を考え設計した建築、言い方を変えれば土地との調和だ。

 

調和というものを深く考えさせられる建築です。

 

 

 

 

自然光のありかた

今日は、大阪で打ち合わせ、そして京都で打ち合わせ。

 

同じ関西といえど、移動に時間がかかる。

 

JR大阪駅まで、JR京都駅までなら、たいして時間はかからないのですが、それぞれ目的地まで市内の移動と打ち合わせを含めると帰ってくるまで丸一日かかるわけです。

 

どこでもドア、若しくは瞬間移動ができれば、現代的に合理的に考えると、スカイプのような遠隔モニター打ち合わせが優れているということになるのですが、建築に関してはそういうわけにはいかないのです。

 

人と人が対話する上で、会わないとニュアンスや感情が伝わりにくい、そういう部分は当然あるでしょう。

 

それ以上に大切なことが、建築というものに内包されたとき、その近い空間で外観視するというときの感覚というものが、とても大切であり、それを自分の中に取り込むということが重要であるからです。

 

だから建築に携わっている以上、移動も達成するための一部であるといえるでしょう。

 

京都の現場は工事序盤で、雨仕舞いが完全ではないので、要所をブルーシートで覆っています。

 

この建築は、冬の日射熱を有効に建物内に獲得するために、建物形状に工夫を凝らしています。

 

 

これは温熱環境的に優位になるような考えですが、私にとっては温熱という物理的理論よりも、南北に奥行きのある敷地で、北側奥の生活空間に自然光が気持ちよく届くということ、暗い空間に映える光の美しさというものの可能性に大いに感情が高揚するのです。

 

この建物では、居る場所によって自然光の感じ方が異なり、それぞれの光の楽しみ方ができるようにしています。

 

まだ多くが覆われていて完全ではありませんが、その片鱗を現場で感じることができたのも、実際に現場に訪れてこそのものなのです。

 

この敷地での、温熱+自然光のありかたの両立を実現する予定です。

 

工事が進むことが楽しみであります。