Category Archives: 新築物件

塀の検討

外構工事です。
当初の計画では、建物横のウッドデッキスペース隠すためにのっぺらな目隠し塀を立てる計画でした。

目隠し塀の検討
<建物右横の塀>

しかし、お施主さんからその塀を通してやっぱり光と風を取り込みたいという要望をいただきました。
更には、塀の高さを極力下げたいということになりました。

光と風が通る=目隠しにならない。。。
低い=目隠しにならない。。。
さあどうしましょう。。。

かなりの数の塀を考えましたが、、
どれもデザイン重視で意味を持たないものばかり。
まいったな。。。と思いながら、もう一度お施主さんについて考えてみました。

植物を育てるのが好きな方だなぁ~。
植物か~。。。

塀の形状は保ちつつ、植栽でやんわり目隠ししてはどうだろうか。
そう思いようやくデザインがまとまりました。
塀の部分は低いけど、目隠しが必要な場合は、それに合った植栽にする。
建物の開口のリズムとこの塀の段差のリズムが同調して、馴染んでくれるのではないかとも思います。
室内からも、こっそりと植栽が見えて心が落ち着くかもしれません。

目隠し塀の検討

さて、お施主さんに提案です。
。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。

採用いただきました!
たいへん気にいられた様子で、ようやく肩の荷が降りました。

やはりデザインには必要性がないと駄目だということです。
その必要性は自然なほどいい。

この2日間、頭の隅で塀のことばかり考えていました。

塀。。。なかなか手強いです。

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2013年3月15日

ミネルギーPエコハウス上棟

滋賀県近江八幡市にて棟上がありました。

ミネルギーPエコハウス上棟

ミネルギーPエコとは、
スイスの省エネルギー住宅基準のことです。

その認定を初めて日本で取得するであろう住宅プロジェクトです。
構造体はリグノトレンドというスイスの工法で行われています。

ミネルギーPエコハウス上棟

日本の在来軸組み工法と違い、かなりの質量感のある構造です。
どちらかというと枠組壁工法に似ているのかもしれません。

日本の建築基準に適合させるのには、かなりの時間がかかりました。
ここまでくるのに足掛け4年です。。。

本プロジェクトを自ら先導いているお施主さんはもちろん、海を越えてたくさんの方々の努力の結果、この日を迎えることができました。

前事務所から引き続き設計者として携わっています。
あまりの内容の複雑さに引き継ぐことができないという理由からでした。

スイスとのスカイプ会議や、スイス向けに英語表記の図面を作成、
そして海外製品の内容把握、日本の建築申請手続きの調整など、
国内での仕事の何倍もの労力がかかりました。

ほんとうに良かった。
プロジェクトの進行を喜ぶのではなく、
施主さん家族が住むお家がようやく形となり現れたということに、
心から嬉しいと思います。

プロジェクトの進行を喜ばないわけではなく、
幾多の苦難を最も味わって最も多くの心労を抱えたのはお施主さん自身です。
そのお施主さんの安らげる場所が、
完成するという意味で嬉しく思うのです。

早く完成して、ゆっくりと寛いでいただきたいですね。

ミネルギーPエコハウス上棟

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2013年3月7日

波を打つ天井 =介護住宅・建築にできること=

某住宅の天井が仕上がりました。
波がうねるような天井です。

波を打つ天井 =介護住宅・建築にできること=

パソコンのCADソフトでは表現できませんので、
イメージをスケッチにして、現場で伝えました。

波を打つ天井 =介護住宅・建築にできること=

スケッチを見た瞬間、職人さんたちも難色を示しましたが、
こういった天井にする理由を説明したら、「やろう!」という気持ちになってくれました。

その理由とは、この住宅には脳に損傷を受け常時介護を必要とされる方が住みます。
ベッドで横になる時間が長いので、よく見上げる天井にこだわったのです。

私は医師ではないので、脳の状態がどのようであるとかは、分かりません。
ただ建築士として、建築をとおして脳に直接訴えかけ、活性化させるようなものを造ろうと思ったのです。

この住宅に携わった皆が医学では解明できない何かに思いを投じてくれています。
この皆の思いが天井の波に乗って、天井を見上げる彼に伝わり、いつの日か元気になって、
「この天井やりすぎやろ!」と言ってくれることを信じています。

工事も残り少しです。
そして残りの時間にできるだけの思いを込めます。

波を打つ天井 =介護住宅・建築にできること=

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2013年3月2日

土台敷き

今日は快晴でした。
朝から建物の土台敷きを行いました。

土台敷き
とてもコンパクトな住宅です。
約10坪平屋です。

コンパクトシアターハウスと名付け設計しました。
どのような住宅かは、今後断片的にブログで紹介していく予定ですが、
かなり特殊な空間となる構想です。

建築で奇跡が起こせるかどうか。。。

建物の性能はもちろん、そこに居る住人の感覚を呼び覚ますような、
そんな住宅になるように願いを込めています。

職人さんとも話をしましたが、
楽しくいいものにしたいという、心強い言葉もいただきました。

空間が人間の感性を刺激する。。。
完成が今から楽しみです。

カテゴリー : 新築物件

投 稿 日 : 2013年1月30日