世の中、困った状況が続いています。
疲弊感が漂っている悪い空気を感じます。
飲食店を経営する友人も多くいるため、リアルな声を聞く機会もあるのですが、昨晩ある料理人とゆっくりと話をすることができました。
もちろん来客数は激減で、テイクアウトなどを行っています。
我々もその彼にお弁当を依頼して届けてもらっていますが、料理人としての気遣いに地味な喜びを得ています。
「地味に」という表現は、ネガティブなことによく使われますが、今回の意味では、目に見えないような些細な配慮や技術に対する喜びということを言いたいわけです。
普段、第一線で店を構えるプロの料理人がつくるお弁当というのは、味はもちろん美味しいわけです。
言い方を変えると、味は美味しいという前提なのです。
私も昔から料理をすることは好きで、料理人の料理に対する考え方を聞くのは、とても興味がありますし、楽しくもあります。
話をさせてもらった料理人は、今回のテイクアウトを始めることに、とても不安感があったようです。
その場で出す料理と、食べるまでにタイムラグがあるお弁当というものの違い、そしてその調整というものを語ってくれました。
品数が多いことが彼のお弁当の特徴でありますが、その一品一品が主張しすぎないこと、そのための塩加減や、時間が経った後の状態など、多くの研鑽があったようです。
それを調整して、まとめ上げるというのは、流石であると関心しますが、もっとも素晴らしいことは、それに向かう姿勢だと思うのです。
テイクアウトを始める前に抱いた不安感、それを乗り越えて次に進む。
そして、彼は気持ちよく言ってくれました。
「こんな状況で無かったら、挑戦してなかったかもしれない。こんな時だから先を見据えて、今だからこそできるいい機会だ。」と。
とても共感できます。
我々も、建築のことを常に考えていなくてはなりません。
家で楽しむことをわざわざ考えている時間など、元よりあろうはずもない。
楽しむことは作ることではなく、自然に生まれるものだと思っています。
楽しくないときは楽しくない。楽しいときは楽しい。
我々は、建築というものに対して、常に状況を取り込んで、考え続ける道を選んで進んでいるわけで、その最中にある建築やそれ以外の楽しみを、あるがままに感じればいいと思うのです。
我々もプレゼンテーションの時に、よく流石ですねとか言っていただくのですが、プロの料理と同じで美味しくて当たり前、優れた建築を生み出して当たり前ということです。
そうでなければ、我々の価値などありません。
だからこそ、次へ次へと考えを伸ばしていかないといけない。
こういう状況だからこそ、次へ!ということを実践し、先にある楽しみにつなげていこうと、改めて思うわけでした。
行動の自粛はすべきですが、心の自粛まではせず、良きものへ向かうべきでしょう。
結構、真面目に書きましたね。。。
昨晩の彼との会話に感化されたようです。笑
それにしても、外に出ていないせいか、お腹のあたりに肉がついてきているような。。。
俗にいうお家で何をするか。。。筋トレが濃厚なようです。。。