シャンゼリゼ通りを堪能したあと、ユースホステルの近くで夕食をとることにしました。
そこで明日行く場所を考えながらご飯をいただきます。
時間が遅かったので、店はボク一人でした。
店員の人も、フランス語で話かけてきます。
3/4以上分かりませんが、なんとか相手が言っていることを読み取ろうと頑張りました。
だいたい状況を考えながら、聞いているとなんとなく分かってきます。
こちらからも何か話題を振ろうと思って、明日行く場所のことを聞いてみました。
「ヴェルサイユ宮殿」・・・「宮殿?」・・・なんて言うんだろう?
「パレスかな?」
「明日ベルサイユ・パレスに行きます。どうやって行けばいいですか?」
「ヴェルサイユ・パレス?どこだいそれは?」と店員が言いました。
ヴェルサイユだけで通じると思ったのに、残念です。
まあ確かに「京都御所どこですか?」というのを「京都○※△どこですか?」と聞いているようなもんです。
写真を見せました。すると、「おぉーシャトー・ベルサイユね!!」店員のテンションが上がりました。
「そうそうシャトー・ベルサイユです!!」ボクもテンションが上がってきました。
「行ったことないからな~。どうやって行くんかな~。」店員のテンションが下がってきました。
「えっ!!マジで!?」
たしかにそうです。京都に住んでる時も、清水寺に行ったことのない京都出身の人がいました。
いつでも行けると思うと、行かなくなるものかもしれません。
「少し待ってよ。」と言われて、店員の状況を見ていました。
すると電話で知り合いに聞きはじめました。なんだか申し訳なくなってきました。
そしたらまた違う店員が寄って来て、二人で地図を見ながら、電話で聞いたりしています。
自分で調べれば多分すぐに分かると思うのに、話題作りのために軽く振ったのが、思わぬ展開になってしまいました。
「よし、これが一番いい行きかただろ。」
「ここで乗り換えて、ここの駅まで行って・・・。」
こんな見ず知らずの旅行者にここまで親切にしてくれるのは、スゴイことです。
メルシーボクーです。
<セーヌ川と夜景>
結局教えてもらったルートでは行きませんでした・・・。
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シャンゼリゼ通り =Les Champs-Elysees=
夜になって、かなり冷え込んできました。
寒さと、空腹は、孤独感を一層大きくします。
これこそ負の連鎖です。
こうなると、楽しむというより、修行に近くなってきます。
ひとりでブツブツ言う時もありました・・・。
こういう時は日本人に出会うことを願いますが、絶対に出会いません。
こういう負の連鎖の時は、むしろもっとイヤなことが起こります。
だいたいそうです。
こういう時は「気」というものを信じてしまいます。
自分が重い空気を出していると、悪いものが寄ってきます。
一人でいると、なかなかこの負の連鎖から抜け出せません。
しかし、ユースホステルに帰ってしまうのももったいないので、泥沼にハマる覚悟で散策を続けます。
こういう状況で唯一救われるのは、見たこともない美しい景色です。
<地下鉄の駅です。キレイです・・・>
それを求めてシャンゼリゼ通りに行くことにしました。
かなり寒かったです。ギブ寸前です。
<コンコルド広場。マリー・アントワネットが処刑された場所。エジプト、ルクソール神殿から贈られたオベリスク。そして観覧車>
着きました。シャンゼリゼ通り。クリスマスでライトアップされているのか、それとも普段からライトアップしてあるのか分かりませんが、とりあえずキレイです。
この真っ直ぐ先に凱旋門があります。何も見えませんが、そこにあるという事実さえあれば、想像でカバーできます。
<シャンゼリゼ通り。その向こうに凱旋門?>
こういう感覚がとても好きです。
登り坂があって、峠の先が見えない時などもこういう感覚になります。
先に海があることを分かっていれば、峠を越えた瞬間に青く輝いた海が目に飛び込んでくるその刹那の、風や匂いや音を想像できます。
そういうことを想像しながら撮った写真がこれです。
両側を車に挟まれて、撮影しています。
夜景なので、フラッシュがたけないから、シャッターを開いたままじ~っとしています。
かなり厳しい状況です・・・。クリスマスです・・・。
「オレも車乗せてくれー!」
こうやって文章を書いてる方が孤独になってきました・・・。
ノートルダム大聖堂 =Cathedrale Norte-Dame de Paris=
ようやく来ました、花の都パリ。
冬なので、花の都というイメージはなかったのですが、パリという響きがいいです。
しかし、かなり寒いです。日本の冬(近畿地方)より全然寒いです。
しかも着いてから気付いたのですが、クリスマスでした・・・。
「クリスマスにパリに一人きり」聞こえは良さそうですが、輪をかけて孤独感が大きくなります。
シャルル・ド・ゴール空港からバスで、パリの中心へ行き、地下鉄でユースホステルに向かいました。
まずは、ノートルダム大聖堂に向かうことにしました。
近くまで地下鉄で行き、まずは小腹が空いたのでとりあえず何か食べようと思いました。
あまりお金がないので、サンドウィッチにします。
店員:「はいどうぞ。」
ボク:「メルシー。」
やりました!無事にフランス語デビューしました!!
知っているフランス語は「ボンジュール(こんにちは)・メルシー(ありがとう)
・メルシーボクー(たいへんありがとう)・シルブプレ(お願いします)
・ラディシオンシルブプレ(お勘定お願いします)」
この5つです。
たぶんこれを駆使すれば、少なくとも悪い印象は与えないと思います。
ノートルダム大聖堂に着きました。
でたっこの迫力っ!・・・・・「ん?クリスマスツリー・・・。」・・・孤独の波が押し寄せてきます。
ゴシック建築を代表するこの大聖堂は1300年頃に建ちました。1804年に帝政を宣言したナポレオン・ボナパルドの載冠式を行った場所だそうです。
1991年世界遺産に登録されました。ノートルダムとは「我らが貴婦人」という意味みたいです。聖母マリア様のことです。
中に入るとより一層、歴史を感じます。美しいバラ窓、美しいアーチの天井、独特な明るさ・・・。
歴史を積み重ねて、美しくなるものはとても素晴らしいです。
造った時よりも美しくなるもの、そういうものを造っていきたいと強く感じます。
そして街をブラブラするうちにお腹が減ってきました。
初日なので、奮発してレストランに入ることにしました。
何を書いているのか分からないので、適当に頼んで待っていました。
おぉーなかなかおいしそうな料理がきました。
そこで店員が「ボナペティ。」と言いました。
そこでボクは「なに?」と応えました。
また店員がめげずに「ボナペティ。」と言いました。
いやいや、意味がワカラナイので、「なに!?」と言いました。
そしたら店員が、テーブルに置かれた料理の一つを下げようとしました。
「おっおい!君っ!何をするんだね!」と思った瞬間、
店員がその料理をもう一度テーブルに置いて、「ボナペティ。」と料理に手を添えて、微笑んでいました。
「召し上がれ」という意味だとようやく分かりました。たぶん基本的な言葉なのでしょう。
恥ずかしかったです・・・。
日本のレストランで「ごゆっくりどうぞ。」という言葉に、「なに!?」と食いついているようなものです・・・。
やさしい店員に感激でした。一人の時にこういうのは、心に染みます。
こうやって言葉を覚えていきます。まるで子供のようだと思いました。
だからこそ明らかな進歩を感じられる瞬間でもあります。
本を読んで知識を得たというのではなく、もっとこうガツンと体内に入ってくる感じです。
こういう体験はとても素晴らしいと思います。