モンセラットとは、前回のブログ、コロニア・グエル聖堂のモチーフとなったバルセロナから50kmほどのところにある、カタルーニャ地方の聖山です。
ガウディだけでなく、カタルーニャの人々は皆この山を愛しています。
<モンセラット修道院>
この山の山頂付近に修道院が建てられたのは11世紀頃。
その後にナポレオン率いるフランス軍の侵攻を受けたり、増改築を繰り返して現在の姿となりました。
バルセロナに滞在中、両親が来てくれた時に一緒に行きました。
バルセロナから電車に乗って、そしてロープウェイに乗って、久々に落ち着いて観光したのを覚えています。
<ロープウェイ上り。遠いなー>
<ロープウェイ下り。コワっ!!>
ここは黒いマリア像が祀られていることでも有名な場所です。
なぜ黒くなってしまったのかは、定かではありませんが、祭壇の蝋燭の煙によって長い年月をかけて黒くなったとか、木が変色したとか・・・。
一番興味深かったのは、ペスト(黒死病)が流行した時にマリア像がみんなの代わりに病気を吸収したという話です。
美しい自然、カタルーニャの聖地、長くこの地を護ってきた聖母マリア、
そのどれよりも、両親が来てくれたことに感謝をしなくてはなりません。
そしておいしいご飯をご馳走してくれたことにも・・・
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Category Archives: スペイン建築
コロニア・グエル地下聖堂 =Cripta de la Colonia Guell=
ガウディの未完の聖堂。
実業家グエルが所有する、バルセロナ郊外に建設された綿紡績工場と労働者の住宅団地とともに計画された聖堂です。
<赤いところらへん>
敷地選定の後、着工までに10年の歳月を費やしました。
針金や糸に鉛のおもりを吊るした模型を造り、合理的な構造を検証し構造計算を行う画期的な方法で設計されました。
そのおもりを吊るした模型の写真を撮り、逆さにしたものが自然な力の流れを得た構造体になるということです。
そしてその写真をもとにガウディは聖堂の全貌を描きました。
完成したのは地下の聖堂だけですが、その上部には5つの塔と中央のボリュームから構成される教会が完成する予定でした。
グエルの経済的没落と死によって、上部の教会は残念ながら架空のものとなってしまいました。
<完成イメージ図>
しかし、この地下聖堂に居るだけで、その全貌が想像できるような、ものすごい力強さを感じます。
曲線に隆起した柱、ドームのような天井、柔らかく入ってくる光・・・。
胎内にいるような空間、外観はカタルーニャの聖山であるモンセラットをイメージしたということです。
ガウディ曰く、
「安らぎは直線の中では得られない。人間の歴史は母親の胎内から始まったからです。」
「この世で唯一の建築家は神なのです。その神から与えられた自然や生命を具体的に表現することも、建築を、精神を持った生命体にすることのひとつです。」
ボクはサグラダ・ファミリアよりここが好きです。
ガウディの建築で一番好きです。
造り手の意志が一番シンプルに伝わるからかもしれません。
何がしたかったのか、何を考えたのか、がよりシンプルに伝わるものほど純粋で力強く、とても気持ちいいです。
単純なのかもしれませんが、分かりやすいものは素晴らしい
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グエル別邸 =Pabellones Guell=
1884~87年に建てられたガウディ建築の一番の出資者であるグエルの別邸。
この別邸を守っているのが、竜の門です。
<赤い印のところらへん>
竜の舌の部分を触ってみたら、少し動いたので、かなり焦りました。
壊したりしたら日本のニュースに出るかもしれないと思いました。
<竜の門>
毎度ながら、中に入りたいと思いました。
インターホンを押して、「すみません。中をみたいのですが・・・。」
すると、しばらくして係りの人がやってきました。
門を開けて・・・
係員「見終わったら声を掛けてくれ。」
こんな気が抜けた感じでいいんですか
ありがたいですが・・・。
比較的こじんまりした敷地に門衛棟と厩舎棟があります。
現在はカタルーニャ工科大学の一部になっています。
内部はアーチの白い天井が印象的です。
<白いアーチ天井側面の光窓>
当然グエルの本宅もガウディにより建てられています。
その本宅の設計や工事の時には実に理想的な施主と建築家との関係があったと言われています。
グエルとガウディは2人で楽しみながら、ひとつの建物を完成させました。
建築家が必要なことだけを確認するという作業的なものではなく、お互いがひとつの芸術について向き合うといった様子です。
グエルの本宅の工事の請求書を見たグエルの秘書が、慌ててグエルにその請求書を見せました。
秘書「工事費が掛かりすぎます。ガウディはあなたの財布を空っぽにしてしまうつもりですよ」
グエル「なんだ、それっぽっちですか。ハハハ、芸術には、少々のお金は必要なのです。」
こんな感じで造られたみたいです。
グエルはお金があるからこんな言葉を言ったのではありません。
心からガウディと建物を造るのが楽しかったのです。
施主と建築家はこういう関係を気付けたら、お互いにとても素晴らしいと思います。
そして、より素晴らしいものができるはずだと感じました。
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ミラーリェス邸の門 =Puerta y Cerca Fina Miralles=
エルメネヒルド・ミラーリェス邸の門。(1901~2年)
建築材料を扱う工場主で、ガウディのいろんな建築実験の協力者でした。
<赤い印のところらへん>
石造りの竜。
東洋の竜をデザインしたそうです。
若い頃から竜に興味を持っていたガウディは晩年になって、よく建築に取り入れるようになります。
建築と竜・・・なかなか結び付きそうもありませんが、彼にとってはイコールだったのでしょう。
有名な建築家はそれぞれ建築に対しての哲学のようなものを持っています。
万人に支持されなくても、それは個性であり、手法でもあると思います。
ガウディの場合は、想像上のものを現実に蘇らせたり、愛するバルセロナの地中海や自然を表現します。
このミラーリュスの門の下にガウディの銅像があります。
もし、彼が見たら自分の像を壊すような気がします。
自分が啓蒙する世界に自らを置くというのは、支配的に感じてしまうのではないでしょうか
この銅像を見て、なんかそんな感じがしました。
ボクもガウディ視線をマスターしつつあるのかもしれません。
でも実際ガウディはこれを見て意外と喜んでいたりするのかも・・・。
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