とうとう去年の末に、サグラダ・ファミリアの内部がほぼ完成しました。
今日事務所で、建築業界誌・日経アーキテクチュアを読んでいると、そこに大きく取り上げられていました。
11月7日にローマ法王が出席し、献堂式が行われました。
サグラダ・ファミリアの着工は1882年で、約130年も経っての内部完成。
ここまで多くの歴史が刻まれました。
スペイン内戦があり、設計者アントニ・ガウディは亡くなり、構造は石積みからコンクリートが主体となり、地下鉄がこの教会のすぐ近くを通る計画があったり・・・。
まだまだ多くのことがあったでしょう。
サグラダ・ファミリア着工当時の1882年といえば、日本は明治時代でまだ内閣制度も確立しておらず、大日本帝国憲法も公布されていないような時です。
東京では電灯すら灯っていない時代ですから、歴史の深さを感じずにはいられないでしょう。
近代化が進み、ガウディの思惑通りの建物とはなっていないことは、訪れたときに感じましたが、約130年も建築工事が続いているという証であるのだと同時に思いました。
今回読んだ雑誌には、外尾悦郎さんの記事も書かれていました。
そこには、現代の建築に携わる人のあり方や、ものを構築するためのプロセスや考え方に対しての疑問も綴られています。
大変共感できる記事でした。
元気のない建物が多い・・・そんな現代で我々建築家の存在意義は?と考えますが、この外尾さんの記事におもしろいことが書かれていました。
「ガウディが聖堂によってつくられた」という言葉です。
外尾さんもそうなりたいと書かれていました。
私もそうなりたい、そのようなものをつくりたいと思います。
建築以外でも、近代化が進むことにより虚しく無念に思うことはたくさんあります。
しかし、そんな世の中で何を大切と思うかは、自分で求めるしかないのです。
そしてその大切なことにより、少しでも何かが良い方向に動けばとても素敵だと思います。
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Category Archives: スペイン建築
メトロポール劇場 =Teatoro Metropol Rambla=
まだまだあります、スペイン・タラゴナ。
タラゴナのメインストリートに面して、メトロポールという劇場があります。
ガウディの助手のジュジョールという人が労働協会の依頼を受けて、1910年に建築された建物です。
ガウディの助手の手腕を拝ませていただくために、タラゴナに着いて1番に訪れました。
いや、2番目に訪れました。
1番はマクドナルド・・・。
劇場なので中には自由に入らせてはもらえません。
当日の劇のプログラムを確認すると・・・夜に「CAT’S」を上演するみたいでした。
少しお金が掛かるけど、仕方ないですね。
夜までは、遺跡や街並みを探索して過ごしました。
ついに開場の時間です。
続々と人が集まってきます。
20ユーロぐらいするんだろうか
そんな心配をしながら、チケットを買いにいくと、3ユーロほどでした。
その安さの理由は、劇が始まって分かりました。
地元の子供達がCAT’Sの劇を演じていました。
なるほど。。。
子供達がセリフを話すたびに、暖かな笑いが起こります。
必死にスペイン語を聞き取ろうと努力しましたが、途中で疲れて諦めました。
しかしながら、とても和やかなひと時でした。
最後はスタンディングオベーション
「ブラボーブラボー」と大歓声が沸き起こります。
私もそういう暖かな空間に居ることが、嬉しくて一緒に拍手をしました。
大満足で劇場を後にして、ふと気付いたことがありました。
建物全然見てへん・・・。
まぁ、いいでしょう。
この建物が生み出したものに触れられたのですから。
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タラコの考古遺産群 =Conjunto arqueológico de Tarragona=
タラゴナには他にも世界遺産登録されたローマ時代の遺産が数多く残っています。
円形劇場、ラス・ファレラス水道橋、サント・アントニの門、前回ブログで紹介したカテドラルなどです。
バルセロナとはまた違った見所がたくさんある町です。
<円形劇場と地中海>
中でもラス・ファレラス水道橋は見ごたえ十分でした。
あっという間に完成したので、悪魔の仕業だと言われ、悪魔の橋とも呼ばれます。
タラゴナの中心地からバスで少し行ったところにあります。
バスの運転手に降りる場所を聞くと、全く何もない幹線道路で降ろされました。
たまたま、水道橋に行く観光客が1人居たので、2人で水道橋を目指しました。
これといって道案内もなく・・・なんの確信もなくテクテクと歩いていきます。
と、ようやく辿り着きました
私たち2人以外はだれもいません。
聞こえるのは、風の音だけ・・・。
1人だったら結構寂しいと思います。
そして、1人で誤って転落でもしたら・・・だれも助けてくれないですよね・・・。
おい落ちても助けられんよ
落ちたら助けてね・・・。
ローマ時代の一旦に触れることができてとてもローマンティックな気持ちになりました。
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ポブレ修道院 =Monasterio de Poblet=
12世紀~13世紀にかけて建てられた、タラゴナにあるシトー会修道院。
南仏のフォンフロワド修道院というところの修道士によって建設されたそうです。
修道士ではなく、修道建築士ですね。
シトー会の理想的なプランによって設計されたため、スペイン建築の特色はあまりみられませんでしたが、
規模の大きさは圧巻でした。
ヨーロッパではカテドラルを見過ぎて、お腹いっぱいになりましたが、カテドラルに溢れる光の分布だけは、何度訪れても新鮮な気持ちにさせてくれます。
屋外にいると、まず太陽の光の色を感じることはありません。
家の中にると、光が入っていることは感じますが、色はと聞かれると何色か答えることができません。
カテドラルの光ははっきりと白色だと言い切れるほどに、白い。
それも無彩色でありながら、より鮮やかな白といった感覚。
とても不思議な白。
美しい白。
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