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今と昔~ミニ四駆から~

子供の頃によく遊んだ、ミニ四駆。

 

未だに発展しながら販売されていて、人気もあるようです。

 

速くなるように改造したりと、反則じみたことをよく考えました。

 

大人になっても好奇心が沸くのですが、子供の頃と決定的に違うことがあります。

 

子供の頃になかなか親に買ってもらえなくて、工夫して触れ合っていた感覚と、大人になってある程度お金を出せばそれを飛び越えてしまうという違い。

 

例えば、タイヤのシャフトとシャーシが触れ合う部分に、ボールベアリングの緩衝材を使うと摩擦抵抗が少なく、タイヤが回転するのですが、市販されているものは500円ほどします。

 

子供にとってこの目に見えない部分に500円かけるのは、最高に贅沢なので一般的には手を出せる代物ではないのです。

 

だから工夫してお金をかけずに摩擦抵抗を減らすことを考えるのですが、大人になればそれが必要であれば、購入して解決してしまいます。

 

時間というものの価値に重きをおくようになるのです。

 

こういったことを考えると、寂しくなります。

 

時間は大切だけど、ものに頼らず試行錯誤することの大切さも分かるからです。

 

今回子供と一緒に遊ぶために用意したのですが、昨今の環境からすると工夫してなんとかするという状況が減ってきていると感じるので、子供の頃くらいは少しでも考えて工夫して解決するということをやってもらいたいと思います。

 

今やスマホひとつで、昔は時間がかかっていたことでも瞬時にできてしまう時代です。

 

だからこそ利用方法だけに長けるのではなく、それを利用する意味や必要性とする意義を考えた上で利用するようになってもらいたいです。

 

こうやってブログを更新するのも、昔は足を運んで伝えていたことを、瞬時に不特定多数の人に伝えることができるけど、できるだけ実際に会って話した感覚と相違がないようにしようと心掛けています。

 

正直便利になればなるほど、表現方法は自由になりすぎますからね。

 

役者さんのように男前を演じることもできるわけです。。。

 

実際も男前ですから、演じる必要はありませんが。

 

そう、こういった発言が怖いんですよ。

 

ミニ四駆から発展的に改めて考えてみたのでした。

 

 

 

 

 

京都市にて「照ラスハウス」上棟

昨年から京都で計画・設計してました「照ラスハウス」の棟が上がりました。

 

 

4層スキップフロアの中央にテラスが配置された、各室への日射を考えた住宅です。

 

京都市内の土地は昔のなごりで、間口が狭く、奥行きが長い所が多いです。

 

必然的に奥行きの長い建物になるのですが、町屋の場合、暗くどんよりとする奥側に坪庭があり、採光と風が抜けるよう工夫されています。

 

現在でいうコートハウス(中庭を配した住宅)に近いです。

 

今回設計した「照ラスハウス」の形状は、コートハウスの概念に近く、名称に隠喩するテラスハウスの概念とは異なります。

 

一般的にテラスハウスとは、間仕切壁を共有した連続する戸建て住宅のことをいいます。

 

昔でいう長屋ですね。

 

この土地に建っていた建物も、隣とくっついていました。

 

元は長屋、現在でいうテラスハウスの形状であったことから、本プランの要である日射(照ラス)と掛け合わせて銘々したわけです。

 

番組のテラスハウスと掛け合わせたわけではありません。

 

スキップフロアで構造部材も多く、大工さんたちも大変だったと思いますが、無事に上棟できてよかったです。

 

工事関係者の皆様おつかれさまでした。

 

そして、お施主様おめでとうございます。

 

 

 

天使降臨

久々に散髪に行ってきました。

 

もうかれこれ20年以上、髪をお任せしている美容師さんです。

 

だからすごく安心して任せられますし、とてもリラックスできる貴重な時間です。

 

毎回3時間弱くらいかけて丁寧に施術してくれます。

 

その途中の工程で毎回天使が降臨するのです。

 

その天使の姿がこれ!!

 

頭に輪っかをつけて、なんとも愛らしい、それでいて気品漂う姿です。

 

こういう発見もリラックスしているからこそ。

 

建築でもある程度リラックスしてもらえるように、お客さんに接するようにしています。

 

そうすれば、きっと建築にも愛らしい天使が降りてくるから。

 

冗談はさておき、何事にも気を緩めて広く考えるということが必要です。

 

ガチガチに固まって考えると、視野が狭まります。

 

数ヶ月に一度の極端にリラックスできた日でありました。

 

 

 

 

 

心の温度

昨晩は焼肉店を経営する友人と、少し話をしました。

 

この先のことを淡々と粛々と。

 

もう40歳も超えると、熱く語り合うというようなことはありません。

 

それは冷めているのではなく、燃え上がる炎の温度が変化していくような感じです。

 

若い頃は、派手に燃え揺らめいている温度の低い「赤い炎」。

 

歳を重ねるごとに、温度は高温になり揺らぎもなくなり、真っ直ぐに研ぎ澄まされた「青い炎」に変化します。

 

晩年はその色もなくなり、「無色の炎」です。

 

ある小説の一文を自分なりに解釈を拡大させた表現ではあるけど、しっくりときています。

 

赤い炎は撒き散らせる分、温度が低いということですね。

 

無色には程遠いですが、青い炎を燃やし続けたいと思うのでした。

 

グランデザインは8/12~8/16までお盆休みをいただきます。

 

休み中は赤い炎くらいでいいかな。