某住宅の天井が仕上がりました。
波がうねるような天井です。
パソコンのCADソフトでは表現できませんので、
イメージをスケッチにして、現場で伝えました。
スケッチを見た瞬間、職人さんたちも難色を示しましたが、
こういった天井にする理由を説明したら、「やろう!」という気持ちになってくれました。
その理由とは、この住宅には脳に損傷を受け常時介護を必要とされる方が住みます。
ベッドで横になる時間が長いので、よく見上げる天井にこだわったのです。
私は医師ではないので、脳の状態がどのようであるとかは、分かりません。
ただ建築士として、建築をとおして脳に直接訴えかけ、活性化させるようなものを造ろうと思ったのです。
この住宅に携わった皆が医学では解明できない何かに思いを投じてくれています。
この皆の思いが天井の波に乗って、天井を見上げる彼に伝わり、いつの日か元気になって、
「この天井やりすぎやろ!」と言ってくれることを信じています。
工事も残り少しです。
そして残りの時間にできるだけの思いを込めます。