以前にもブログで紹介した藤本衣(きぬ)さんの木版画展が京都で行われています。
久々にお会いして話ができてとても良かったです。
彼女の作品を見ると、ある1つの景色の記憶が頭に浮かびます。
鴨川から北の山を望んだ景色です。
山々が何層にも重なっていて、緑色の濃淡のみで奥行きと空間が現れています。
絵で表現すると、その1層を仕上げる間に不自然な濃淡ができてしまいます。
この景色に衣(きぬ)さんの木版画が近いと感じたのは、景色を見て瞬間的に脳に伝わる速度と、版木を瞬間的に転写する感覚とが似ているからだと感じました。
そして瞬間的に面を写すことによって、1層の中でも自然な濃淡を表現できるからなのかなとも思いました。
私は小学生の図工で版画を体験した程度なので、このような考えは浅はかかもしれませんが、なんとなくそう思ったのです。
自然の風景とシンクロする彼女の作品は、スゴイとは思わせずに、心に染み入るような自然さがある。
それが彼女自身のやさしさかもしれません。
余談ですが、この個展には京都金属職人コウちゃんと一緒に行きました。
その帰り、彼が会場の前に停めていた折りたたみ自転車を開いた瞬間鈍い音がして、
よく見ると、後輪のカバーが真っ二つに裂けていました。
その時のコウちゃんの言葉・・・
「衣のせいじゃ!ここに来んかったら壊れんかったのに!」
彼には木版画は無理だと確信しました。
衣ちゃん、なんかごめんね。。。
2011年6月29日(水)まで、
KOHAKUKAIRASHI
京都市東山区東大路高台寺南門通東入ル下弁天町58-3
http://cohakukairashi.com/
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