イタリアで最も訪れたかった場所、アルベロベッロ。
この名前を最初に耳にしたのは、私がまだ建築学生の頃です。
空間論の先生が、空間論最初の講義でこの町の話をしました。
あまりに特殊な名前で、あまりに連呼していたので、すごく印象に残っていたのです。
アルベロベッロとは、1500年頃にこの領地を与えられたアンドレア・マテオ伯爵が、「森の女神・アルボルベッリ(ラテン語で美しい木の意味)」と名付けたことから、
それがなまったものとされているそうです。
<これが象徴的な木なのでしょうか?すこし角刈り過ぎかな?>
バーリから、列車で1時間半ほどで到着します。
そして、アルベロベッロの象徴でもある世界遺産トゥルッリを目指します。
またまた、おもしろい名前です。
トゥルッリ(Trulli)とはトゥルッロの複数形で、トゥルッロ(Trullo)とは、ラテン語のトルッラや、ギリシャ語のソロス(Tholos)が語源となっているようです。
意味はトルッラが「部屋一つ、屋根一つ」、ソロスが「円形の」「ドーム状の建物」といった意味を持ちます。
トゥルッロの独創的な建築法は、アルベロベッロの家屋建築師たちの手によって生み出されたものです。
奇をてらった家を造り出そうとして、このような形になったのではありません。
冒頭で書いた、空間論の最初の授業でこの町が紹介されたことの意味がここにあるのです。
そういう目で、この愛らしいトゥルッロを見てみましょう。
外観を見るからに、みごとに部屋一つごとに屋根一つです。
壁は石灰岩を積み上げて、石灰(漆喰)を塗り、屋根は石灰岩をドーム状に積み上げて、頂部は石灰岩の平板で押さえをして、石灰(漆喰)で仕上げます。
全て石灰です。
住宅一戸まるごと一つの素材と考えると、シンプルを超えています。
そしたら住んでいる人は石頭な頑固者かと思いきや(思ってないけど)、実に親切で気さくな人でした。
次回はトゥルッロの中を紹介します。
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