イタリアのバーリから列車で1時間半ほど南に行くと、異質な町マテーラがあります。
異質と言っても悪い意味ではなく、特別な形態をした町ということです。
サッシと呼ばれる洞窟住居が現存する町。
このマテーラのあるグラヴィナ渓谷は石灰石の侵食により形成され、この洞窟住居が幾層にも重なっています。
かなり昔から存在するこの町も、第二次世界大戦の時には不便な暮らしに住民が離れて、廃墟と化してしまいました。
その後、建築学上貴重なものとして、この町を保存する政策がイタリア政府によってとられました。
そして世界遺産登録を受け、現在では洞窟住居に再び住民が戻っています。
建築学上貴重な物。。。見るからに貴重ですね。
特に規則性があるわけでもないのに、むしろ雑多な印象を受ける町全体が調和を保っていました。
規則性がないがゆえの、偶然の空間演出が随所に見られます。
その当時の建築技術や、人々の生活状況、若しくはそれに付随する歴史的価値のあるものについての研究も大切ですが、直感的に何かを感じる不思議な空間としても非常に重要ですね。
そう感じました。
そう感じたといっても、この感覚をどのように、日本で活かせば良いものか。。。
活かすべきシチュエーションはあるのか。。。
というようなことを考えながら、この町を去る前に、小さなCAFEに立ち寄りました。
立ち飲みカウンターで、イタリアでは飲み慣れたエスプレッソを注文して、砂糖を大量に混ぜて、執拗にスプーンで混ぜて、まずは一口・・・。
ここまでは、私が盗み見て学んだイタリア人の一般的な飲み方を、完璧に摸倣しました。
ですが、エスプレッソが喉を通った瞬間、むせてしまいました。
店の人が大丈夫か?みたいな素振りを見せていましたが、あまりのエスプレッソの濃さ、そして恥ずかしさが何より自分の記憶に深く刻み込まれました。
この感覚の記憶は、日本に帰ってきて役にたちました。
私が神戸で一番美味しいと思っているエスプレッソ店で、その店主との共通の話題として生かされたのです。
→ 神戸一のエスプレッソ店
洞窟住居で受けた感覚も、どこかで役に立つものだと楽しみにしています。
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