アヴェンティーノの郵便局 =Palazzo Postale all’Aventino=

アダルベルト・リベラ設計の郵便局です。
リベラはイタリアのファシズム体制下でも多く作品を残したモダニズム建築家です。
アヴェンティーノの郵便局
中でもマラパルテ邸は有名なのではないでしょうか?
カプリ島の断崖絶壁に建つ住宅で、映画「軽蔑」に登場します。
この郵便局のロビーには不透明なガラスで囲まれた天井があり、全方向から柔らかい光が入ってきます。
そして、丸い照明のペンダントがその高い天井から降りていました。PANASONICのMODIFYみたいな照明。
アヴェンティーノの郵便局2
さすがに営業中の郵便局ということで、中での撮影はひかえましたが、とても落ち着いた良い空間でした。
なぜ落ち着いているかというと、とても暗いんです。
日本の郵便局では考えられないぐらいに、照度を抑えてあります。
ヨーロッパでは多くの場所で照度は低いです。
私が過ごしたバルセロナのアパートの個人の部屋にはスタンドライトが一つだけしかありませんでした。
その照明を上に向けて天井に反射させて過ごしていましたから、どの程度の暗さか想像できるかと思います。
今住んでいる家も、かなり照度が低いです。
和室の押入の奥まで光が届きませんから・・・。
この感覚は人によって異なりますから、設計する上では非常に難しい部分でもあります。
実際の設計ではどうしても安全側へ余裕をみてしまいます。
照度や光の種類や影の落とし方を空間と総体的に考えるということは、その空間のあり方を構築する重要な要素の一つです。
下の写真は前述にあるバルセロナのアパートの部屋ですが、照明の効果が違うと見えていなかったものが見えるような気がしませんか・・・。
見比べてみてください。
バルセロナアパート2
バルセロナアパート2
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