京都 知恩院本堂(御影堂)保存修理 2

知恩院御影堂の内部に入ると、天井が剥がされていて、小屋組が見えました。
見えましたが部材が多すぎて、何か分かりません。
知恩院6
<御影堂小屋組>
しかし綺麗です。
こういうのを「用の美」というんでしょうね。
そうしていると、すぐ傍らで金物の復元修復の実演をしていました。
タガネでコツコツと彫っていきます。
知恩院7
一緒にいた友達のちゃんは、金属茶筒の職人なので、茶さじに文字を彫るなど同じような仕事をしています。
そういう話をしていると、金物の復元の実演をしていたおじさんが、「ちょっと字を彫ってみてよ。」と言いました。
友達のちゃんはみんなの前で何かをすることが、とても苦手なので断っていましたが、ボクを含めてみんないろいろはやしたてるので、渋々引き受けて文字を彫り始めました。
知恩院8
<知恩院で文字を彫るKちゃん>
その文字は「」。
見ていたお客さんの中から、「なんで鶴なんですか」という問いかけがあり、ちゃんは「昔の彼女の名前が・・・。」と訳の分からないことを喋り出しました。
知恩院9
さっと文字を彫ってしまったところはさすがですが、
文化財の中で、女々しい公表です。
でもそういう純粋なところが彼の魅力です。
純粋すぎてきわどいことをしてしまうこともありますが・・・。
少し前もこんなことがありました。


今でも昔の彼女のことを思っているちゃん。
元彼女からの連絡を今でも待ち続けています。
一緒に食事をしている時に、そんな話になって、勢いで今から会いに行こうということになりました。
もの凄く渋っているちゃんを勢いで彼女の家まで連れて行きました。
でも、なかなかオートロックのチャイムを押せないちゃん・・・。
さすがにここは代わりに押すということはできません。
長い間、インターホンの前で無言の格闘が続きました。
こっちにも緊張が伝わってきて、ボクもドキドキしました。
ちゃんもう帰ろっか?」
「・・・・・・・。」
と、しばらくしてようやくチャイムを押しましたが・・・、留守でした。
ほっとしたのと、半分残念だったのとが入り混じった様子でした。
ボソッとちゃんが、「ついこの前も来たんよね。チャイム押せんかったけど。」
「えっ来たん今日そしたら2回目
「・・・・・・・。」
きっと何回も来てるのでしょう。
一応、ストーカーという言葉は教えておきました・・・。
でも、30歳過ぎてこんなドキドキする体験をさせてくれるちゃんの純粋さはとても好きです。
その純粋さで、これからも良いものを造ってくださいね。
そしてこれからもヨロシク。
知恩院5
<Kちゃんと知恩院三門のケヤキの柱>
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そしてKちゃんに拍手を。

カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2009年11月9日