知恩院御影堂の内部に入ると、天井が剥がされていて、小屋組が見えました。
見えましたが部材が多すぎて、何か分かりません。
<御影堂小屋組>
しかし綺麗です。
こういうのを「用の美」というんでしょうね。
そうしていると、すぐ傍らで金物の復元修復の実演をしていました。
タガネでコツコツと彫っていきます。
一緒にいた友達のKちゃんは、金属茶筒の職人なので、茶さじに文字を彫るなど同じような仕事をしています。
そういう話をしていると、金物の復元の実演をしていたおじさんが、「ちょっと字を彫ってみてよ。」と言いました。
友達のKちゃんはみんなの前で何かをすることが、とても苦手なので断っていましたが、ボクを含めてみんないろいろはやしたてるので、渋々引き受けて文字を彫り始めました。
<知恩院で文字を彫るKちゃん>
その文字は「鶴」。
見ていたお客さんの中から、「なんで鶴なんですか」という問いかけがあり、Kちゃんは「昔の彼女の名前が・・・。」と訳の分からないことを喋り出しました。
さっと文字を彫ってしまったところはさすがですが、
文化財の中で、女々しい公表です。
でもそういう純粋なところが彼の魅力です。
純粋すぎてきわどいことをしてしまうこともありますが・・・。
少し前もこんなことがありました。
今でも昔の彼女のことを思っているKちゃん。
元彼女からの連絡を今でも待ち続けています。
一緒に食事をしている時に、そんな話になって、勢いで今から会いに行こうということになりました。
もの凄く渋っているKちゃんを勢いで彼女の家まで連れて行きました。
でも、なかなかオートロックのチャイムを押せないKちゃん・・・。
さすがにここは代わりに押すということはできません。
長い間、インターホンの前で無言の格闘が続きました。
こっちにも緊張が伝わってきて、ボクもドキドキしました。
「Kちゃんもう帰ろっか?」
「・・・・・・・。」
と、しばらくしてようやくチャイムを押しましたが・・・、留守でした。
ほっとしたのと、半分残念だったのとが入り混じった様子でした。
ボソッとKちゃんが、「ついこの前も来たんよね。チャイム押せんかったけど。」
「えっ来たん今日そしたら2回目」
「・・・・・・・。」
きっと何回も来てるのでしょう。
一応、ストーカーという言葉は教えておきました・・・。
でも、30歳過ぎてこんなドキドキする体験をさせてくれるKちゃんの純粋さはとても好きです。
その純粋さで、これからも良いものを造ってくださいね。
そしてこれからもヨロシク。
<Kちゃんと知恩院三門のケヤキの柱>
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そしてKちゃんに拍手を。