世界陸上ベルリン大会も閉会しました。
とても熱いシーンの数々を見ることができました。
昨日最終日のマラソンでは、尾崎好美さんが銀メダルを槍投げの村上幸史さんが銅メダルを獲得するという、とても素晴らしい締めくくりでした。
ボクもベルリンに少し滞在していましたが、とても素晴らしい街です。
ドイツ人は礼儀正しく、街並みも清潔で、特に歴史的建造物と近代建築、現代建築がうまく融合されています。
今回のマラソンのコースでは数々の名建築も見ることができました。
その中のひとつ、1968年に完成した、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエにより設計された建物。
Neue Nationalgalerie =新ナショナルギャラリー=
この建物はミースの遺作となりました。
1辺65mの巨大な格子梁が8本の鉄骨柱で支えられています。
まるで、鉄骨の重量感のある屋根が宙に浮いているようでした。
その重量感故に、余計に宙に浮いていることが強調されています。
1階は多機能な企画展示として用いられ、主に地階が美術館としての機能を担っています。
自然素材の利用が叫ばれる昨今では、「鉄とガラスの建築」というものは冷たく感じてしまいそうですが、鉄とガラスという素材を極限まで活用した彼の建築は、物体による豊かさや空間による豊かさを感じることができます。
ボクにとっては自然素材をただ使って、「エコハウスです。」と言っているほうが、よほど冷たく感じます。
自然素材を使ったとしても、その物や、空間に心がこもっていないと、貧しい建築になるような気がします。
貧しい建築に住むと、住人も貧しい考え方になるでしょう。
高性能な家に住むよりも、心が豊かになる建築に住み、ひとつの箱の中で完結せずに、周りとの付き合いや、共同意識を持つ-、その方が大切だと思います。
これこそが、ミース独自のユニヴァーサルスペース(無限定空間)の真意なのかも知れません。
話は変わりますが、ドイツ人は信号を守ります。
たとえ3mほどの道路でも、車が1台も走っていなくても、赤信号であれば横断歩道を渡りません。
これも心のゆとりからなる行動なのかもしれませんね。