ラ・ロッシュ+ジャンヌレ邸。
近代建築の巨匠ル・コルビュジェが手がけたラ・ロッシュ氏と、コルビュジェの兄のための、2軒続きのL字型住宅。
1925年に完成したこの建築物は、ル・コルビュジェの代表作の一つです。
白く機能的な建物を手がけ、「モデュロール」という彼が生み出した、人体から割り出される尺度を操り、多くのすばらしい建築を世に残しました。
写真や映像でしか見たことがなかったので、小奇麗にまとめられた機能的な建築というイメージでしかなかったのですが、百聞は一見にしかずというように、この建築に実際に触れて大きく印象が変わりました。
まず大きく思ったことは、建築の材料であるものの質感です。ものすごく質量感が洗練されているのがすぐに分かりました。
建築というよりも、「造形」というものに純粋に向き合ってできている、そんな感じです。
その純粋な造形が空間を構成する、そしてそのまとまりが大きな造形となっているこんな感じでしょうか?
この空間にいると、全ての尺度に意味があるということを痛感します。
ガウディの建築が総合芸術というのであれば、ル・コルビュジェは総合造形といった感じかなと思いました。
機能を追及するという上で、形という意味を最大限に引き出そうとしたのかな?
天才の考えはボクには理解できないかもしれませんが、こうやって感じることで、天才に近づけたらいいなと思いました。