設計させていただいたモデルハウスの設計趣旨説明を行いました。
<建築への愛を語る。笑>
ご依頼いただいたハウスメーカーの一部の社員さんたちが、30名以上おられました。
それだけで、お家の中の室温が上がります。
成人1人あたり、約100ワットの熱量があるとされていますから、3000ワット以上の生ける暖房です。
到着してすぐの説明でしたので、服を脱ぐ間もなく、話しながら暑っ!と思いながら、汗かきながらお話しました。
断熱をしっかり行うと、暖房をつけなくても、熱が逃げないので、このようなことになります。
ふんだんに吹抜を設け、建物内全体の室温が一定になるように計画したので、より快適です。
こういった温熱環境をしっかり整えた住宅は、かなり増えてきたのではないでしょうか。
これは、物理的なことなので、誰でも計算と考え方さえしっかりしていれば出来ることです。
ただの建築の一要素に過ぎません。
冬暖かく、夏涼しく、快適に過ごすことはとても大切です。
それ以上に、建築を感じることのほうが大切です。
どのような空間で、どのような素材で、どのような住まい方か。
ただ温熱環境を安定させるだけであるなら、断熱された箱で十分です。
一生住むこととなる住宅は、建築の存在を感じ、その建築を何よりも愛し、そして自分に合った唯一のものでなければなりません。
以前、建築させていただいたお客さんに、たいへん有難い言葉をいただきました。
旅行で優れたホテルや旅館などに泊まっても、自分の家のほうが素晴らしいと思って、お金を払う気にならないとおっしゃっていただきました。
そのような感情になるには、断熱だけでは到底無理です。
住む人の見えないモデルハウスではありますが、そういう観点で設計させていただきました。
このモデルハウスで、断熱の説明の後に、このようなことを多くのお客さんに伝えていただきたいです。
そうすれば、きっと幸せな家庭が増えるはずです。
ここに訪れた、お客さんがどのようなお家を建てるのかが、楽しみです。