前から、いろんな題材で、時間のあるときにコツコツと、小説を書いていますが、書き切るというのは非常に労力がいります。
最近、超短編ではありますが、ひとつの小説を書き終えました。
基本的に、純愛というものをテーマに書いています。
夏目漱石の「こころ」は、私にとって小説というものの意味を、大きく考えさせてもらった作品です。
人のこころの様相を、文字で書くのは簡単だけど、描くのはとても難しいのです。
必ずしも、丁度いい言葉があるとは限りません。
だから、文字で描くには、その場所の雰囲気や、周囲の状況などから、浮き立たせるように文章を組み立てなければいけないのです。
今回の作品は、何人かに読んでもらい、いろんな有難い意見をいただきました。
想像した場を、文章で表現するということは、建築と同じように感じています。
建築は、想像した空間を物や寸法で表現していきます。
それは、突然変異的なものはなく、必ず意味があり、ストーリーがあります。
だから、この仕事をしていて、小説を書くというのは、必然なようにも感じるわけです。
ただ、小説も、建築同様に、全く展開が広がらないとか、適切な表現が生まれないなど、悩みも多くあります。
本職ではないので、悩んでも深く落ちることはありませんが。笑
今も、ひとつの作品を書き始めているのでが、一回書き直し、二回書き直し、只今三回目でございます。
全体の情景はボヤっとあるのですが、方向を定めるのに苦労している感じです。
でも、現実ではない世界を、表現することって、とても素晴らしいことです。
建築をある程度長くやっていると、頭の中でも現実味を帯びすぎるんです。
リアルに想像しすぎてしまうというか、余白がなくなっていくんです。
小説を書くことは、想像力をつなぎ止める、とても自分にあった手段だと思います。
いつか、自分が納得のいく小説を完成させたら、なんらかの場で発表します。
お楽しみに。