京都の鷹ケ峰に光悦寺というお寺があります。
京都には3年半ほど居住しましたが、数多くのお寺、神社を拝観したにも関わらず、恥ずかしながら光悦寺には訪れたことがありませんでした。
仲良くさせていただいている京都出身の方のお勧めで、先日行ってきました。
紅葉した葉はほとんど落ちており、観光客も少なく、私はいかにもというのより、この感じのほうが好きです。
元々ここは、徳川家康が、本阿弥光悦に与えた土地です。
そして光悦は、この土地に様々な多くの工芸職人と居住し、芸術村としたのです。
本阿弥光悦自身は、書、陶芸、漆芸、茶の湯などを行う、マルチアーティストでした。
作品である、楽焼白片身変茶碗「不二山」、舟橋蒔絵硯箱は国宝となっています。
彼が携わった作品の中で、私がもっとも心躍らされたのは、「蓮下絵和歌巻」という全長25mにおよぶ巻物。
俵屋宗達が蓮の下絵を描き、その上に光悦が強弱大小の文字を書いた合作。
同じ時代を生きた最高峰の職人二人が互いにリスペクトしながら仕上げた作品は、その当時を思うと鳥肌が立つとともに、新しいことへの挑戦という意欲が感じられ素晴らしいと感じざるをえません。
こういった優れた先人たちが様々なものを切り開いた後に我々は生きているという有難さも感じます。
仕事の合間ではありましたが、久々にこういった時代文化に触れる機会というのは、貴重なことです。
それに触れて感じることは人それぞれですが、何かを見直すいいきっかけになるのではないでしょうか。