某ブランドのロゴ作成の依頼を受けて、その案を練り直しています。
建築設計は空間からはじまり、構造、設備、素材やパーツの全ての構成で建築を考えますが、ロゴはそれ自体で全てを表現しなくてはならないので、全く異なった考え方となります。
そのブランドのイメージや展開の仕方、デザインや作り手の思いを形に置き換えます。
設計で携わる建築に関わるロゴはイメージしやすく比較的考えやすいのですが、他業種のブランドロゴとなるとイメージを具現化するのに時間がかかってしまいます。
一目見て意味が分かってしまうものはロゴではなく絵なので、意味を保持しながら、見た目に無理がなくシンプルで、それでいて印象的な形状を模索します。
何かの動作を具現化したり、文字を変化させたり、物に置き換えたりと、様々な方向で意味と思いの表現を試みます。
何かにとらわれ思考が固まると、手を動かしていても同じ線を何度も引いてしまい、その形状から脱却できないという状況に陥ります。
こうなると何度線を引いても駄目、怖いくらいに手が同じことを繰り返します。。。途中で線を曲げようとしても曲がらない。。。
そんな大袈裟なと思うかもしれませんが、強い印象を持って繰り返しているとなるんですよ、これが。
こうなるまで考えさせてもらえるというのは、我々にとっては有難いことです。
前と同じ、あの時のようにとか、安易に考えているといつか何も生み出せなくなるでしょう。
苦しくも考え続けることのみが、前に進み新しく発展させる唯一の手段だと思います。