今日は雪がちらつく寒い一日でした。
昼から姫路にてお施主さんを交えて現場打ち合わせを行い、
終わってから、ある所へ行きました。
「杉下材木商」という銘木の販売、加工・製材を行っているところです。
姫路のお家の階段の踏板の製作加工の相談に訪れましたのでした。
Rの壁に片持ちで無垢材の塊が突き出した階段です。
ゆっくりと曲線を描くように昇降します。
リビング空間に剥き出しになったこの階段は、このお家の象徴ともいえる
大切なものとしてイメージを創りました。
そしてそのディテールを工事責任者であるタクトホームのバービーさん(川畑さん)が寝る間をおしんで
まとめ上げてくれました。
さあいざ製作加工という段で、コストという問題にぶつかりました。
大梁ほどの製材を踏板状に加工するのに、材料費に加えて大きな加工手間が必要になります。
直面した金額はかなりのものでした。。。
加工手間や木材の反りを軽減するために、一枚の踏板を分割する、集成材を使うなどいろいろと思案しましたが、
やはり当初のイメージ通りひとつの無垢材の塊で踏板をつくるという思いは消せませんし、
この空間にはそうあるべきだという考えも変わりません。
そう考えているときに、「杉下材木商」のことが頭に浮かんだのです。
私の学生時代の同級生が勤めています。
数年前にその友人が私を訪ねてくれたことがありました。
その時の彼の建木に対する熱意を思い起こしました。
早速、電話で相談をしました。
そして次の日である今日、早速直談判しに伺いました。
すると既にこちらが提示した踏板の模型を造っていてくれました。
これほど嬉しいことはありません。
要望を聞いていただいて、相談にのっていただきました。
あと少し打ち合わせが必要だと思いますが、
階段実現への光が見えました。
我々設計をするものは、建築でいうと末端の仕事です。
製材されたもの、加工されたものを用いて設計するからです。
例えば、こんな形を鉄で造りたいと考えていても、実際に形にするのは職人さんです。
いくら高度な計算をしようと、それを実際に形にするのはそれぞれの現場の人たちです。
だからこそ設計者はそういった実際に形にする人たちに教えを請わなければいけないと思います。
今日、木を扱う建築の大元と直接話ができてとてもよかった。
こうやって多くの人の思いが宿る建築が、
本当によい建築だと信じています。