ニュータウンの傍に

明石のマジックBARに一人で訪れたときのこと。
ニュータウンの傍に(如意寺)
カウンターで隣に座っていた歌手と建築話になり、
その方が教えてくれました。
西神南ニュータウンの傍の山間に、とても魅力的なお寺があるということでした。
「如意寺」という天台宗の仏教寺院です。
恥ずかしながら知りませんでしたので、早速行ってみることに。
普段よく通る道から入って行くと、道路の途中に三門が現れました。
近づくと、きちんと仁王像(鎌倉時代)が守っています。
ニュータウンの傍に(如意寺)
<三門>
ニュータウンの傍に(如意寺)
<仁王像>
そこからしばらく奥へ進むと伽藍に辿り着きます。
三門から結構な距離があったことから、かなり広大な寺域だったことが分かります。
ニュータウンの傍に(如意寺)
ニュータウンの傍に(如意寺)
現存するのは、阿弥陀堂(鎌倉時代初期)、三重塔(南北朝時代)、文殊堂(室町時代)のみで、本堂は第二次世界大戦の後に解体されたようです。
この内、阿弥陀堂は神戸市内最古の建造物。
ニュータウンの傍に(如意寺)
<阿弥陀堂(常行堂)入母屋造、とち葺き形銅板葺き>
ニュータウンの傍に(如意寺)
<文殊堂 入母屋造、本瓦葺き>
ニュータウンの傍に(如意寺)
<文殊堂 内部>
ニュータウンの傍に(如意寺)
<三重塔 本瓦葺、高さ21.33M>
ニュータウンの傍に(如意寺)
<本堂跡 礎石のみ残っている>
山に囲まれていて、来訪者が誰もいなかったせいか、約600年前にタイムスリップしたようで不思議でした。
まさか数百メートル先にニュータウンがあるとは思いません。
とても静かです。
それにしても美しい屋根です。
雨をより遠くに、そして優しく地上に落とす。
理にかなった形状です。
本堂がないということが、なんとももどかしい気分になります。
どのような美しい建物だったか考えることが、また楽しい。
力強くも優しい。
言葉で表現できない美しさがある。
改めて日本の建築美を体感したのでした。
近くにお住まいの方、訪れてみてはどうでしょうか。
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カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2012年11月5日