イタリアという国を最も印象付けた事件が、ここナポリで起こりました。
事件なようで、事件ではないのかもしれません。
まず日本では起こりえない事なのです。
ナポリの国立考古学博物館を見学して、電車に乗ろうとした時でした。
乗車前に機械に切符を挿入し、刻印を打つのですが・・・。
刻印しようとした瞬間、5人くらいの中年男性が駅から出てきました。
そしてその内の一人が、
挿入するのはその方向じゃないと言わんばかりに、私の持つ長方形の切符を90°回転させて挿入させようとします。
私「いやいや、入らんやろ。幅が全然ちがうし。」
男「これでえーんやって。」
執拗に切符の向きを回転させようとします。
『切符を盗ろうとしているのか・・・。』
他の男達「もーえーやろ、先に行くで。」(たぶんこんなことを言ったと思います。)
それでも、なおも食い下がってくるので、腕を振り払います。
その時にようやく彼の真意が分かりました。
切符を回転させようとしていた手と反対側の手を、私のポケットに入れようとしていたのです。。。
男は「あっ!」というような、おどけた表情を見せて、
私も「なるほど。」というような表情で。。。
そして、男は・・・
「よく分かったな!合格!」と言って、私の肩をポンッと叩いて、私に親指を立てて笑顔で仲間のもとへと去っていきました。
何故か清清しい気分でした。
これがイタリアか・・・。
本気で盗もうとしていたのか?からかうためだったのか?遊びだったのか?試練としてだったのか?
真意は分かりませんが、日本では味わえない感覚です。
いくら関西人でも観光客相手に、こんなに明るく盗まないでしょう。
イタリア人の気さくさと愛嬌に乾杯!・・・は、しません。
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