ヴェネツィア近郊のトレヴィソという町にある、ブリオン家のお墓。
設計はカルロ・スカルパ。愛すべきイタリアの建築家です。
なかなか観光客には行きにくい場所かもしれませんが、特に建物が好きな方は是非行ってもらいたい場所です。
電車とバスを乗り継いで、ようやく辿り着くと、いかにもスカルパらしい建物が向かえてくれます。
コンクリートによる軽快かつ重厚な造形。
天と地をひっくり返したとしても成り立つような建物です。
素材の重厚な感覚と、そこに入り混じる光の軽快さと崇高さが、とてもいいバランスで共存していました。
ここには、スカルパ自身も眠っています。
彼の息子がデザインしたお墓に眠っています。
<スカルパのお墓>
スペインではガウディ、フランスではコルビュジェ、ドイツではグロピウスやミース、偉大な建築家達に出会い、そしてイタリアではスカルパにも出会えた・・・。
時代が移り変わっていくうちに建築のスタイルも変わっていきます。
世界に名を馳せた彼らなら、時代が変わろうとも我が建築道を突き進むんだろうなと改めて思い、嬉しく思い頼もしくも思いました。
多くの建築学生が目指す建築家のありかたはこのようなものでしょう。
その目指すものの難しさに気付いて、知らない間に彼らを別次元の世界の人のように、ひとつの固有名詞のように言うようになります。
その部分だけを見ると悲しいことかも知れませんが、良い建築とは彼らが携わってきたもの以外にも多くあります。
彼らが完全に建築を極めたとも思いませんし、彼ら自身も晩年そのようなことは思わなかったに違いありません。
極めたと思わない限り、より良い建築を生み出し続けることができるのではないでしょうか。
自分の今までの行動を鑑みるに、300歳を超えたあたりで、彼らを超えることができると考えています
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