ガウディの未完の聖堂。
実業家グエルが所有する、バルセロナ郊外に建設された綿紡績工場と労働者の住宅団地とともに計画された聖堂です。
<赤いところらへん>
敷地選定の後、着工までに10年の歳月を費やしました。
針金や糸に鉛のおもりを吊るした模型を造り、合理的な構造を検証し構造計算を行う画期的な方法で設計されました。
そのおもりを吊るした模型の写真を撮り、逆さにしたものが自然な力の流れを得た構造体になるということです。
そしてその写真をもとにガウディは聖堂の全貌を描きました。
完成したのは地下の聖堂だけですが、その上部には5つの塔と中央のボリュームから構成される教会が完成する予定でした。
グエルの経済的没落と死によって、上部の教会は残念ながら架空のものとなってしまいました。
<完成イメージ図>
しかし、この地下聖堂に居るだけで、その全貌が想像できるような、ものすごい力強さを感じます。
曲線に隆起した柱、ドームのような天井、柔らかく入ってくる光・・・。
胎内にいるような空間、外観はカタルーニャの聖山であるモンセラットをイメージしたということです。
ガウディ曰く、
「安らぎは直線の中では得られない。人間の歴史は母親の胎内から始まったからです。」
「この世で唯一の建築家は神なのです。その神から与えられた自然や生命を具体的に表現することも、建築を、精神を持った生命体にすることのひとつです。」
ボクはサグラダ・ファミリアよりここが好きです。
ガウディの建築で一番好きです。
造り手の意志が一番シンプルに伝わるからかもしれません。
何がしたかったのか、何を考えたのか、がよりシンプルに伝わるものほど純粋で力強く、とても気持ちいいです。
単純なのかもしれませんが、分かりやすいものは素晴らしい
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