ベルサイユ宮殿、この日は極・極寒でした。
しかも入口で長蛇の列ができています。
寒すぎて、寒すぎて、遊園地のアトラクションで心待ちにしながら並んでいるのとは違って、とりあえず中に入れてという感じでした。
小物や家具類のどれが高価で、どれが珍しいのかは分かりかねるところはありましたが、1682年フランス絶対王政時代にルイ14世が建てたといわれるバロック建築の代表作を堪能しました。
優美さ、壮大さ、その全てからここでの生活や仕事の風景が浮かんでくるようです。
「ベルサイユのバラ」を読んだこともあったので、より想像力が働きました。
<まちがい探し>違うところが1箇所あるよ。
しばらく見たあとに、庭園を拝見することにしました。
庭に出た瞬間、「でかっ!!さっむっ!!」という感覚が同時に襲ってきました。
天気が悪すぎて、遠くまで見渡せませんでしたが、十分に大きさは認識できます。
「これは歩いて廻ったら、凍えて遭難するな。」と思ったクレバーなボクは、庭を周遊するバスに乗ることにしました。
バスと言っても遊園地にある子供ようの汽車みたいなものです。
この広い敷地を3台で、巡回していました。
3台のうち、1台は窓ナシの吹きさらしバスです。
「この極寒の中あのバスに当たったら命が危ない。」と思ったと同時に、
「これ何のゲームなん?軽いロシアンルーレットやん。」と思いました。
そうこう考えて待っていると、霧の中からバスの影が見えてきました。
さあ窓付きか、窓ナシか。楽しめるか、耐え忍ぶかの運命の瞬間です。
・・・「おぉ~~~!!」歓声があがりました。
みごとに窓ナシバスです!!
みんな同じ思いだったのでしょう。落胆の色が伺えました。
そういうみんなの思いを乗せて、窓ナシバスは走ります。
風がビュービュー吹き込んでくる中頑張って写真を撮りました。手をずっとポケットにしまっておきたい気分です。
みんな寒さに震えながら、庭園を観覧しているのを見ていると、不思議に思ってきました。
ボクは半分建築の勉強だと思っていたので、こんな状況でも十分に価値はありますが、観光のみできている人はどういう感覚なのでしょう?
「見た。行った。」というステイタス的なものなのか、この劣悪な状況の中、美しいとか、壮大だ、という風に素直に感激しているのか?
あまりにも自分の理想像とかけ離れたこの状況だと、感激という感情には程遠いです。
庭は緑が青々としていて、キレイな花が咲いていて、見渡す限りの青い空、ありきたりですが、これがボクのイメージです。
自分の美しいと思う感覚と、情景がシンクロした瞬間に感激という感情になります。
例えば、家の窓から見る景色でも、感激する瞬間があるはずです。
こういう感覚で物事を見ると、いかに壮大なベルサイユ宮殿でも、ふとした景色よりも心が高揚しないということも、あり得ると思います。
そういう景色や瞬間を身の周りに多く持っていると、より豊かな生活を送れそうです。