先日、大阪で住宅のプレゼンテーションがあり、その帰りに国立国際美術館に行きました。
ずっと興味のあった絵画の展示があり、久々に美術館へ赴くことになりました。
最近は、なかなか美術館でゆっくりとする時間がないので、とても新鮮な時間でした。
「バベルの塔」ピーテル・ブリューゲル1世作。
この絵を初めて見たのは何時だったか覚えていないが、画力はともかくとして、圧倒的なスケール感と世界観に魅了され続けていました。
人類が技術の進歩とともに傲慢となり、天にも届く塔を建築しようとして、神がその行為に怒り言語を混乱させて建築を阻止した、という話はとても有名です。
この空想の建築に魅力を感じるのは、やはりこの塔に多様な用途が集合しているからでしょう。
この塔の外周の緩やかで幅広いスロープは平面的な街にある街道の役割であり、その街道沿いには教会など人が集う空間があり、生活というものを内臓しています。
平面的な都市の機能を一本の螺旋状につなぐように配置されているというのは、かつてない都市計画であり、その最頂部にはどのような空間が備わる予定だったのか、未知の可能性を感じさせます。
その答えが神が恐れるものという暗喩も含まれているようで、ますますこの未完の建築の魅力を引き立てているように思います。
私にとってバベルの塔は絵画というより、建築として非常に興味深い素晴らしい作品です。
はっきりと言葉にできませんが、目指すべき重要な世界観を感じさせてくれます。
東京スカイツリーですら、神の逆鱗に触れるに至っていません。
その逆鱗に触れるときこそ、真の建築の完成に至るのかもしれません。
こわいこわい。。。