建築の空間と同時に形状も考えます。
空間と形状がちょうどふさわしいところになるまで探ります。
以前、お施主さんにプランを考えるときの下書きを見せてほしいと言われたことがあって、
見せたことがあるのですが、その紙は後から見ると鉛筆の線がかなりの密度で重なって、なんとか外形が分かる程度の黒い塊のような絵でした。。。
いつも考え始めると一回書いた線をほとんど消さないので、探る時間が長いほど黒い塊になってしまいます。
いつもは捨てるのですが、たまたま残っていたので、その黒い塊の異様な絵を机に置きました。
正直、お施主さんの反応を見てみたかったのもありました。
どのような感想をもらえるのでしょう。
するとお施主さんは、その黒い塊を見つめながら口を開きました。
先に感想を妄想しています。
1番予想 「えっ?これは何を書いているのですか?」
2番予想 「うーん?よく分かりませんね。」
3番予想 「とてもおぞましいですね。。。」
それまでの話の流れでこれは無いと思うけど。。。一応。。。
「君!私をおちょくっているのかね!?帰る!!」
それでは、回答です。
「素晴らしいですね!この線の集まりから今の形状ができたのですね。非常に興味深いです。」
まあなんということでしょう。
いつも捨ててしまう黒い塊を素晴らしいという褒めていただけたではありませんか。
これからは、この黒い塊の絵をプラン提案のときに一緒に提示しましょうか(笑)
と考えながら、下書きすると、おもしろいもので意識しすぎて線を選んで描くようになって鉛筆が進みません(笑)
虚栄心が芽生えるのか。。。承認欲求が肥大するのか。。。
やはり、いままで通り捨てることにしましょう。
褒められるというのは時に危険であります。
<意識し過ぎて線が進まない絵。。。>