土木と建築

昨日、今日で、大きな建造物と大きな建築物を見ました。

昨日は、家族で明石海峡大橋に散歩に行き、改めてその構造美に惚れ惚れしました。
土木の仕事に従事していた時代は、構造美とか考えたことなかったのですが、
建築の仕事をしてからは、建築と対比して考えるようになりました。

そもそも土木と建築の仕事は何が違うのか?ということになりますが、
一般的に見れば、土木は公共的に利用し、大きな範囲で利便を向上させる役割の建造物を造る仕事で、
建築は、人々に対して必要性のある内部空間を有する建物を造る仕事。

両者は規模の大小の違いや、用途によって分けられることが多いですが、
地球上に物体を生み出すという意味では同じです。

先に書いた土木の建造物の美しさとは、構造によるところが大きい。
それは、大きな建造物に大きな重量負荷がかかることと、自然環境の影響を大きく受けるので、
それを支える部分の負荷を軽減するために、建造物本体の重量を最大限まで減らすように設計されていることです。
その為、構造がむき出しになり、無駄な部材をそぎ落とし、必要最低限まで淘汰され、
その末にシンプルな力の流れを感じる構造美が現れます。

土木と建築

建築では仕上げを施し、内部空間を構成する。
建物の外観もそのものを成り立たせるように構成する。
それは構造的な負荷を与えることもある。
しかし造形としての美しさを有することができる。

両者の美しさの観点は違うようにみえるが、
建築でも要素を淘汰したものは美しいし、木造の構造はとても美しい。

今日は、姫路で打ち合わせがあり、その足で姫路城を見て帰りました。
大規模な改修工事中ですが、とても美しい外観が姿を現しています。
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての建築技術の粋を極めた傑作といわれ、
軍事的・芸術的にもっとも完成された建築物です。

土木と建築

両者の美しさで重要なものは、技術の結集と、そのものが存在する意味。
そういう意味では、土木も建築も美しさの底辺は同じなのです。

昨日と今日あらためて、ほんとにいい刺激を受けました。
とても大きな題材なので、頭と心にあることをブログでは語りきれないけど、
ものづくりの意欲を増大させるには、十分な2日間でした。

カテゴリー : 日本建築

投 稿 日 : 2014年6月16日